スレッズで「客の愚痴」つぶやく飲食業界人の悲哀 実名や店の名前を出して…背景には猛烈なストレス?
東洋経済オンライン / 2024年9月5日 9時0分
「当店はワインがウリなのに、無料のお冷やを要求された。そんな客は来ないでほしい」ーー
FacebookやInstagramで知られる米Meta社による「Threads(スレッズ)」が2023年7月に登場し早1年以上が経った。
【画像】理解できる? 店主やオーナーたちの”愚痴投稿”はこんな感じ
テキスト中心に投稿ができるSNSで、競合であるX(当時Twitter)を強く意識した仕様になっている。リリース当初、5日で1億ユーザーを突破するなど騒がれたものの、現在、利用率はピーク時と比較し2~3割に縮小しているという。
XやInstagramに比べるとまだまだユーザー数は及ばず、話題に上がることも少なくなったThreads。しかし今、一部の飲食店があけすけな本音を吐露する場所になっている。
開けば愚痴だらけのThreads
Threadsを開けば、筆者のタイムラインには飲食店アカウントを使った店主の叫びがあふれている。
「理不尽な口コミを書かれた。こちらにも言い分があるのに好き勝手書かれるなんて」
「予約した客が来店せず、連絡もつかない。こちらは食材を仕入れて仕込みをしてしまったのに」
といった、飲食店に同情したくなる「あるある」なトラブルから、中には、
「この客は料理やワインのことをわかっていない」
などと上から目線で客の振る舞いを批評するもの、トラブルで一方的に相手を責め立てているもの、極端な決めつけと感じるものなど、賛否両論を呼びそうな投稿も少なくない。実際に、コメント欄で激論が繰り広げられている様子もよく見る。
SNSでは自身と関連性の高い投稿がどんどん表示されるようアルゴリズムが組まれている。筆者は外食ライターという仕事柄、日頃から飲食店について情報収集をしているためこのような投稿が延々と出てくる。
しかし、筆者のみならず飲食店関係者に話を聞くと多くの人に同じ現象が起きており、よくよく聞けば飲食の関係者のみならず一般の外食好きのThreadsも同様のようだ。
「なぜThreadsは飲食店経営者の愚痴ばかりなのか」という疑問を投げかける投稿も何度も見た。新しいSNSを楽しもうと始めたものの、開けば愚痴だらけのThreadsにうんざりして離れていった人も多いのではないだろうか。
さらに驚くのが、それらの多くが実名の発信であることだ。店や店主の名前を出したアカウントで上記のような愚痴が書き込まれている。たとえ店側に非がなく、言っていることは事実や正論だったとしても、他人を貶めるネガティブな発信をしていること自体が店や店主自身のイメージを損なう可能性もある。
愚痴を言いたくなるのもわからなくないが…
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