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いきなり中間管理職になった人が知らない心得 職場のストレスや長時間労働にどう対処するか

東洋経済オンライン / 2024年9月19日 9時0分

かつては、「残業すること=頑張っている」と評価される風潮があり、今でもそのような風潮が残る会社も少なくない。部下が上司よりも先に帰りにくいという職場もいまだに多い。

リモートワークにおいても、夜遅くまでオンライン会議を行っていたり、メール対応していたりして、勤務時間が長くなることが多いのが現状である。

長時間労働が減らないのはなぜか?

長時間労働が減らない原因として、次のようなことが考えられる。

・目的や目標、やるべき業務、役割分担などが明確になっていない

・優先順位がついていないなど、仕事の効率が悪い

・残業を前提とした業務の組み方になっている

・長時間勤務者が評価される、もしくは評価される雰囲気がある

まずは課長自身が、「長時間かけて成果を上げる」から「短時間で成果を上げる」へとマインドセットしていくべきであろう。

スマートにビジネスができているか? 課長として、同じ時間で多くの成果を上げること、ROT(リターン・オン・タイム時間対効果)も考えたい。 20%の重要要素が、全体の80%の成果をしめるという〝パレートの法則〟も参考にしたい。担当業務における20%の重要事項を決め、そこに集中することも効果的である。

タイムマネジメントの具体的対策としては、次のようなものが挙げられる。

・残業とは基本的に上司からの指示により行うべきものであることを、課長やメンバーともに理解するようにする。残業の運用をルール化する

・残業を前提としない業務を組んでいく。業務時間外の社内ミーティングなどは設定しない、残業しないと完了しない業務は優先度を検討し、見直しを行う

・「ノー残業デー」を設定するなど、課長自らが率先して業務時間短縮に取り組む

・役割分担と権限委譲を徹底する。仕事の目的、目標、やり方(WHY―WHAT―HOW)を明確にする

・仕事の優先順位をつけて、「やらないことリスト」を作成する

・メンバーがいつでも相談できる環境・雰囲気をつくる

・バッドニュース・ファースト(悪い情報、問題は早く報告すること)を徹底する

・定期的に、自分とメンバーの業務内容を分単位で記録し、見直しを行う

リモートワークでのタイムマネジメントの注意点

自宅などでのリモートワークにおいては、出社や退社などの時間的な区切りがつけにくく、終わっていない仕事があれば、夜遅くまでやってしまうということも起こりがちである。

筆者もリモートワーク時、気づかないうちにメンバーの残業時間が膨らんでしまっていたことがあった。それ以降、全メンバーが当日午前中までに残業目的と残業予定時間の申請を行い、あまり多くなる場合にはすぐに対策するようにした。

課長としては、メンバーの勤怠状況を日々把握し、長時間労働になっているメンバーに対しては、その原因の分析や具体的な対策を行っていく必要がある。 

安部 哲也:立教大学大学院ビジネススクール(MBA)客員教授・EQパートナーズ代表

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