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「文章読むのが何だか遅い」劇的に速く読めるコツ 国語の入試問題は、年々長くなる傾向にある

東洋経済オンライン / 2024年9月20日 20時0分

このことを応用すると、10秒ほどで次の文章のだいたいの内容を把握することができます。

ある夜、師匠は弟子に、「お前が来てから1年が経つが、お前は全く修行の成果が出ていない。なぜそんなに怠惰なのだ」と言って怒った。それに対して弟子の男は、「自分はこの1年間、一生懸命修行に打ち込んできた。真面目にやっているのに、そんなことを言うなんてあんまりだ。自分は怠惰なのではない」と言って泣いたのであった。

なぜこの文章を速く読めるのかというと、読まなくていい部分が明確に存在するからです。

どこだかわかりますか?「」の中です。

ある夜、師匠は弟子に、「1」と言って怒った。それに対して弟子の男は、「2」と言って泣いたのであった。

これであれば、10秒で読めますよね。そのうえで、「1」の内容と「2」の内容は、すぐ後ろを見れば推測できます。「1」と言って怒った、ということは「1」には師匠が弟子を怒っている内容が書いてあるはずです。

詳しい中身のことはわかりませんし、弟子のどんな部分を叱責したのかもわかりません。それでも、「なにかに対して怒っているんだな」というのは理解できます。

「2」も同様です。「2」と言って泣いた、ということは「2」は弟子が師匠の怒りを受けて泣いたということがわかります。きっと怒られたことに対して、何かを返答しているのだとわかります。

このように、「」の中はしっかり読む必要がなく、その前後の文脈を見るだけで、だいたい何を言っているのかわかるのです。これは小説だけでなく、古文や漢文でも同じことが言えます。

例えば2024年の共通テストの古文では、こんな一節がありました。

「さるはいみじき出で消えにこそ」と、人々死に返り妬がるを、「げにあへなく口惜し」と思せど、「さて引き返さむも人目悪かめり。なほ法輪の八講にことよせて」と思しなりて、ひたやりに急がせ給ふほど、

注:死に返り=とても強く

これも、先ほどと同じく「」の中をスキップできます。

「1」と、人々はとても強く嫌がるのを、「2」と思うけれど、「3」と思い直して、ひたすらにお急ぎになるとき、

この場合も、中身を読まなくても、だいたい状況がわかるはずです。「1」は人々が嫌がっていること、「2」はそれに対して主人公が最初に感じたことで、それを「3」と考え直したわけですね。

これも文章をすべて読まなくても内容を大雑把に把握できるわけです。

文章を全部読もうとすると時間がかかる

国語の文章を読むのが遅い人は、基本的に「文章を全部読もうとしてしまう人」です。実際はそうしなくても、文章の全容をつかむことは簡単です。

校長先生の話を最初から最後まで一言一句聞き逃さないようにしようと考える人は少ないですよね。

それと同じで「重要なポイント」以外は読み飛ばしてもいいわけです。その練習として、今回はいくつかの例を紹介しました。ぜひ参考にしてみてください。

西岡 壱誠:現役東大生・ドラゴン桜2編集担当

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