ダイソー「姉妹チェーン」通って感じた一抹の不安 始動から3年、「無印のライバル」はまだ遠い?
東洋経済オンライン / 2024年9月21日 10時0分
躍進するStandard Products
「Standard Products」(スタンダード・プロダクツ)をご存じだろうか?
100円ショップのダイソーが出店を精力的に進めている「非100円ショップ」で、2021年に誕生。現在では100店体制となり、毎月5~8店舗の新店がオープンしている。今後は500店を目指すという。
店のコンセプトは「ちょっといいのが、ずっといい」。日本の地場産業とのコラボレーションを積極的に行い、高品質な商品を110〜1100円の値段で扱う。製品にはプロダクトデザイナーが入り、おしゃれさと安さの2軸を目指している。
店のコンセプトや商品ラインナップが、あたかも「無印良品」のようだと話題になったこともある。ただ、無印良品と比べて商品単価が安いために、その有力なライバルになるのではないかとも目されている。
【画像14枚】ダイソーの姉妹チェーン「Standard Products。店内はおしゃれな雰囲気、商品の価格は110~1100円と幅広い
運営会社である大創産業代表取締役の矢野靖二氏によれば、Standard Productsは、海外展開を見込んで立ち上げたブランドで、ダイソーとは異なる基軸を目指すという。
とくに昨今は、円安による物価高の影響で100均自体の利幅が少なくなっていることもあり、今後のダイソーを支える柱になるかもしれない。
そんな、Standard Productsだが、今後の展開はうまくいくだろうか。消費者として、個人的に店舗を訪れるなかで、少しばかり不安になることがあった。今回はその一抹の不安を書いてみたい。
「ストーリー」を売るStandard Products
不安を語る前に、もう少しStandard Productsについて解説したい。その特徴はどこにあるか。それは、これまでのダイソーが徹底的に「実用性」をウリにしてきたのに対し、それとはまったく異なる「ストーリー」や「イメージ」をウリにしていることだ。
ダイソーは、多種多様な商品をすべて100円で買うことができる実用性を前面に押し出していて、店の中は商品がぎっしりと詰められている。薄利多売のビジネスモデルを巨大なレベルまで作ってきた。店内は、商品がよく見えるようにとても明るく、空間的にも実を取っている感じがする。
一方、Standard Productsの店内を見ると、商品が置かれている棚はゆとりを持って配置されていて、店の中はすっきりしている。そして、ディスプレイや看板などを大胆に使い、店の「メッセージ」を押し出す。
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