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15年ぶりに全線開通「阿里山林業鉄道」車両の中身 災害や資金難を乗り越え、再始動までの道のり

東洋経済オンライン / 2024年9月21日 7時0分

「約30年間高校教師として勤務し、8年前に定年退職しました。半年間の研修を受けてガイドとしてデビューし、週に2日、阿里山鉄道でガイドをしています」と、鐘祥さんは語る。

栩悦號の主な顧客は、知的好奇心が旺盛なファミリー層や、人生経験が豊富なアクティブシニアたち。顧客の興味に応えるため、ガイドには、阿里山の自然・文化・歴史など、多岐にわたる知識が求められる。このためガイド仲間は定年退職した元教師や元公務員がほとんどだという。「隣の車両のガイドは、元・嘉義県観光課長です」と、鐘祥さんが教えてくれた。

3カ月間のチケットが1時間で完売

ライオントラベルが運営権を持つ列車は、栩悦號のほかにも福森號(フーセンハオ/Formosensis)がある。

福森號は「阿里山最高の観光列車」「動く美術館」といわれ、車体部分がヒノキで作られている。7月から3カ月間のチケット(1350席)がわずか1時間で完売という人気ぶり。

7月28日から運行される予定だったが、25日に台風3号のため阿里山鉄道本線が8月31日まで不通となった。したがって、取材時にはまだ運行されていない(その後、9月8日に初便が運行された)。

お荷物から期待の星へ

2023年5月、当時の行政院長だった陳建仁(チン・ケンジン)は阿里山を視察した際に、「林務局は今後、60億元(約270億円)を投入し、『大阿里山基軸百年飛躍建設計画』を推進していく」と述べた。

阿里山鉄道を軸とした地域の魅力向上、沿線宿泊施設の国際競争力を強化するための長期計画だ。かつてはお荷物として扱われていた阿里山鉄道は、いまや阿里山地区の発展を担う期待の星となっている。

市川 美奈子:台湾在住ライター

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