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紫式部が感じた「中宮・彰子」が女房達に抱く葛藤 おしとやかな性格のため、周りの女房も控えめ

東洋経済オンライン / 2024年9月21日 9時0分

一方で、紫式部は中宮をよく観察していて、最近の中宮は「後宮のあるべき姿や、女房たちの気性、長所や短所、出過ぎたところや至らないところをすべて見抜いている」と記します。

さまざまな経験を積んだ中宮は、女房たちに「もっとこうしてほしい」といった要望があり、時にそれを上臈女房に伝えたりするのですが、女房たちにはいまひとつ響かないようです。「上臈女房の消極的な習慣は簡単には直らない」と紫式部は感じているようですね。

紫式部には、上臈女房たちがお高くとまっていると見えていました。来訪者がやって来ても、しっかりした対応ができないときがあったそうです。

対応に出て、来訪者と顔を合わせることすらできない人もいたようで「実に頼りない子どものような上臈女房」と紫式部は非難しています。紫式部は内向的と書きましたが、さすがにここまでではなかったのでしょう。

(主要参考・引用文献一覧)
・清水好子『紫式部』(岩波書店、1973)
・今井源衛『紫式部』(吉川弘文館、1985)
・朧谷寿『藤原道長』(ミネルヴァ書房、2007)
・紫式部著、山本淳子翻訳『紫式部日記』(角川学芸出版、2010)
・倉本一宏『紫式部と藤原道長』(講談社、2023)

濱田 浩一郎:歴史学者、作家、評論家

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