KDDIとローソンが描く"未来のコンビニ"の姿 人手不足解消と顧客体験向上の両立を目指す
東洋経済オンライン / 2024年9月21日 13時0分
三菱商事、KDDI、ローソンの3社が「未来のコンビニ」への変革に向けた取り組みを2024年9月18日に発表した。提携の核心は「Real×Tech Convenience」という新コンセプト。実店舗(リアル)とテクノロジーを融合させ、人手不足や食品ロスなどの課題解決を目指すとともに、顧客に新しい体験を提供することを目的としている。
この取り組みの中心となるのが、KDDIが2025年春に本社を移転予定の「TAKANAWA GATEWAY CITY」に開設される2つのローソン店舗だ。これらの店舗は未来のコンビニに向けたリテールテックの実験場として機能する。
未来のコンビニを支える新技術
高輪の新店舗では、最先端のテクノロジーにより店舗運営の効率化と顧客体験の向上を目指すシステムが検証される。9月19日に実施された発表会では、これらのシステムのデモンストレーションが披露された。
【写真】24時間稼働可能な自動品出しロボット、手に取った商品にあわせておすすめを提案するデジタルサイネージなど
品出はロボットが行う。KDDIが出資するTelexistence社が開発した技術で、ペットボトルや缶飲料を指定された場所に正確に配置できる。朝はコーヒーを多めに並べるなど、時間帯や需要に応じた柔軟な対応も可能だ。バックヤードには重量センサーを備えたスマートシェルフが設置され、リアルタイムの在庫管理を実現する。
新しいバージョンのスマホレジを導入
支払いシステムでは新バージョンのスマホレジを導入する。顧客の購入傾向に基づいた商品レコメンドがポップアップで表示される。バーコードを読み取るだけで簡単に商品をカートに追加でき、複数購入時の特典など買い回り促進策も組み込まれている。レジ待ち時間を削減すると同時に、顧客一人一人に最適化された購買体験を提供する。
商品棚に設置されるスマートサイネージも、未来のコンビニの重要な要素だ。サイネージは、来店客の属性情報に基づいて最適な商品を提案する。例えば、男性客にはボリューム感のあるお弁当を推奨する。さらに、スマホレジでチェックインした人には、auの映像サービスの利用傾向に基づいてライブチケットを提案するなど、よりパーソナライズされた提案も行う。
店舗の多機能化を象徴するのが、店内に設置されるオンライン相談ブースだ。ここでは、通信キャリア(携帯電話)、金融(保険)、ヘルスケア(オンライン診察と薬の処方)の3種類のサービスを提供予定だ。コンビニエンスストアを買い物の場所から、生活に密着したサービスの提供拠点へと役割の拡大を目指す。
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