日経平均は9月下旬以降再び下落する懸念がある それでも中期での日本株の魅力は変わらない
東洋経済オンライン / 2024年9月21日 9時30分
一方、日銀は9月19~20日の金融政策決定会合で金融政策の据え置きを決めた。
前回(7月30~31日)の会合では、賃金の上昇などで物価と景気の見通しがなお上向きにあると判断したため、従来0~0.1%としている政策金利を0.25%に引き上げ、あわせて国債買い入れ減額を月額6兆円程度から2026年1~3月に月3兆円程度までに半減させる計画も発表、日本経済は「金利ある世界」に一段と踏み込んだ。
今回、日銀は市場の予想どおり、金融政策の据え置きを決めた。日銀正副総裁の8月末以降の発言①当面は市場を注視していく、②基本的に利上げ姿勢の維持、に準じるものだった。なお、今回の記者会見後に円安に若干振れたのは、「(円安懸念が後退し)時間的余裕ができた」という発言を利上げ後退と市場は受け止めたようだ。
また直近の日本株には政治の不透明要因もある。事実上の次期首相を決める自民党総裁選挙(9月27日投開票)だ。第1回投票で決まらず、上位2候補の決選投票になるとの見方もあり、予断を許さない。
大手情報会社が最近発表した9月の外国為替市場の月次調査での「誰が総裁に選ばれたら最も円高が進むか」との問いでは「誰が選ばれても影響は限定的」が41%だったが、石破茂候補が26%、河野太郎候補も21%を占めた。一方、「誰が選ばれると最も円安が進むか」という問いには、高市早苗候補が50%を占めた。このように総裁選でどの候補が勝利するかによって、為替も影響を受けそうだ。
新総裁は、早期に解散総選挙に打って出ると予想されており、10月27日や11月10日が投開票日になる可能性が高そうだ。こうした流れからみると、次回10月30~31日の日銀金融政策結滞会合は、利上げ見送りがコンセンサスだが、その後はいつ追加の利上げがあってもおかしくない。12月18~19日か年明けの会合(1月23~24日)で追加利上げの決定がなされる可能性が高いとみる市場関係者は少なくない。
企業業績の鈍化懸念やアメリカ大統領選のリスクも
こうした中、日本株の先行きを考えるうえでは円高による輸出関連企業の業績下方修正リスクを考慮しなければならない。
10月下旬以降に本格化する企業の第2四半期(7~9月期)実績での悪影響は軽微とみるが、第3四半期(10~12月期)の会社予想やアナリスト予想は為替の前提が、1ドル=140円以下の円高になると、輸出関連企業の業績下方修正リスクの可能性が高まる。輸出関連企業の構成比が高い日経平均株価の上値は重くなるだろう。逆に日経平均株価よりも、TOPIX(東証株価指数)の中では比重が高い内需・輸入関連企業は相対的に優位になるだろう。
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