「無料のモノはもらわない」お金のマイルール 日々を健やかに過ごす「失敗を許容するお金」
東洋経済オンライン / 2024年9月22日 9時0分
音声プラットフォーム「Voicy」のチャンネル「学びの引き出しはるラジオ」でパーソナリティーを務める尾石晴さん。尾石さんの新著『からまる毎日のほぐし方』より一部を抜粋し、ご紹介しています。
今回は「お金の使い方」をテーマにしたエッセーです(前記事「ミドルエイジが歳を重ねることに不安を感じたら」)。
「無料」にからまる
お金のルールは細かく決めていないけれど、生活全般+お金に関わるルールでひとつだけ守っていることがある。
【写真】Voicyで人気の“はる”さんが伝える「年齢、キャリア、家族、人付き合い、etc… 」モヤモヤした日常のからまりを「私らしい日々」に変えていく「考え方」のヒント
それは、無料のモノをもらわないということだ。
笑顔で差し出されるラップやタオル類、普段使わないメーカーのボックスティッシュ、ホテルのアメニティ類、化粧品やお菓子の試供品。商品を買うとついてくる販促品類、イベントで配布されるエコバッグなどなど。
あれば使うかもしれないが、なくても困らないそれらのモノ。
それらを手渡される3分前までは、自分にとって必要かどうか、考えたこともなかったモノたち。
多くの人は、なんとなく「じゃあ」と思い、もらっていくのだろうけれど、私は数年前から、これらの無料のモノをもらわないことにしている。お気持ちだけと言って断る。
これらのモノを持ち帰っても、困るわけではないし、子どもからすれば喜ぶ品かもしれない。でも遠慮している。なぜか?
無料は一見魅力的だ。相手の好意も上乗せされているし、支払いもないし、良さそうに見える。しかし、ここには2つの〝無料の罠〟が隠れているからだ。
1つ目は、それを家の中のどこに置くのか、という置き場所に関する罠だ。
いったんモノを自宅に持ち込むと、モノを置く場所、住所決めが発生する。自分が欲しくて買ったものであればまだしも、予定外でもらったものには、置く場所がない。
キッチンカウンターやリビングテーブル、とりあえずの場所に仮置きしてしまう。この仮置きは意外とくせ者。気づいたら積もり積もって地層化してしまい、これ片づけなきゃと悩む時間も発生してしまう。
私の良いものを見る目を育てる
2つ目は、自分の好きなもの、自分の大事なものを〝選ぶ〟という行為が、無料によって惑わされてしまう罠だ。
私たちは身銭を切って購入することで、自分好みを見つける選択眼が肥える。しかし、ここに無料が入ってくると、自分の選択で選んだものと無料のモノが混ざり、自分の欲しいものを見る目は惑わされる。
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