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姿を消していたヒロミが旬芸人をしのぐ人気な訳 打ち切り「ジョンソン」の後釜番組のMCに座る

東洋経済オンライン / 2024年9月22日 11時0分

いわば、ヒロミ自身がテレビに出ていないとはいえ、芸能界に片足を突っ込んでいる状態に変わりはなかった。こういう状態だったからこそ、タレントとしての勘が鈍らなかった。いきなりテレビに出てもそれなりに対応できたのは、休業中にもきちんと芸能人との付き合いを続けていたからだ。

第2の理由は、時代がヒロミのようなキャラクターを再び求めるようになったということだ。これはテレビでも本人の口から何度か語られている。

ヒロミが復活した2014年頃には、有吉弘行、坂上忍、マツコ・デラックスなど、「毒舌キャラ」と言われる人たちの活躍がめざましかった。彼らは、物事の本質を捉えた厳しい毒舌を浴びせかけ、その切れ味が認められて、どんどん仕事を増やしてきた。

ヒロミも、どちらかというとそういうタイプの芸人である。元暴走族ならではの特攻精神で、どんな相手にもズケズケと乱暴に絡んでいく。暴力的なツッコミをしたり、目上の人にもタメ口を使ったりする。そういうヒロミの荒々しい芸風が、ようやく時流に合うようになってきた。有吉、坂上がいけるなら、俺もいけるんじゃないか。ヒロミはそう思ったのだという。

元ヤンキーの強みを生かす

また、ヒロミの強みはそういう荒っぽいところだけではない。それと同時に、目上の人の心をつかむ抜群の社交センスを持ちあわせている。それがあるのは、おそらく彼が元ヤンキーだからだろう。

上下関係に厳しい世界で鍛えられ、体を張って危険に身をさらすことに慣れている彼は、そのヤンキー魂を武器にして芸能界を渡り歩いてきた。ビートたけしを「オジさん」と呼び、明石家さんまを「さんちゃん」と呼ぶ。怒られないし失礼だとも思われない絶妙な距離感で人付き合いができるのがヒロミの持ち味だ。

また、復活してからのヒロミは、後輩芸人や年下のタレントとの距離のとり方も抜群だった。『ウチのガヤがすみません!』(日本テレビ)では、さまざまなタイプの若手芸人たちのパフォーマンスを温かく見守り、ときには厳しい言葉をかけたりした。

新番組『THE MC3』で共演する中居も、ヒロミを兄貴分のように慕っていた。ヒロミが本格復活後に共演を果たしたとき、喫煙所で中居が「俺、司会上手くなりました?」と尋ねて、ヒロミが「上手くなりすぎだよ、誰が紅白の司会までやれって言ったんだよ」と答えたという話もある。

生き様を同世代の男性が支持

また、ヒロミは趣味が多いことでも知られている。テレビに出ていない時期にも、トレーニングジムの経営をしながら、ゴルフ、射撃、DIY、自動車、バイクなどの趣味に没頭する日々を送ってきた。

2019年にはYouTubeチャンネルを始めて、自分の趣味活動を中心にしたライフスタイルを発信している。テレビでもDIYなどの趣味を生かした企画に携わる機会も多い。人生を積極的に楽しむ生き様そのものが、同世代の男性に支持されている。

ヒロミは「空白期間」を経て、人間としても芸人としても魅力を増して、人気タレントの地位を確立した。上の世代には「かわいい後輩」として愛され、下の世代には「頼れる先輩」として慕われる彼は、おじさん世代の希望の星としてこれからも輝き続けるだろう。

ラリー遠田:作家・ライター、お笑い評論家

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