「築150年の巨大なゴミ屋敷」に隠された驚く事実 90代の父が暮らす、忍者屋敷のような実家を片付け
東洋経済オンライン / 2024年9月22日 10時0分
納屋に押し込まれているモノはほとんどが不要品だ。かろうじて手前にあるモノには手が届くが、奥にあるモノに関してはもう何十年も放置されたままだ。男性ですら一体何が眠っているのかわからない。
納屋のとなりにある2階建ての離れは、床にもホコリがかぶっていて、長年使われていないようだ。1階、2階ともに、使わなくなった大型家具がホコリをかぶった状態で並べられている。
「隠し扉」の先にあったもの
玄関の扉を開けて家に入ると、土間には土のかぶった壺やスーパーマーケットのカゴが積み上がっていて、その中にも不用品が投げ入れられている。台所には大きな食器棚が3つ。そのぶん使っていない食器類も相当な量で、おせち用の食器まで一式しっかり揃っている。
和室はふすまで仕切られていて、すべて開放するとかなり広い空間になる。布団や座布団の数がとにかく多く、ちょっとした旅館くらいある。
作業を進めていると餅つき器まで発見した。昔は親戚中がこの屋敷に集まって、正月などのイベントごとを祝っていたという。しかし、今はその機会もすっかりなくなり、モノだけが残ってしまった。
もっとも奥にある和室に、一見、押し入れのように見えるふすまがある。開けるとそこには急勾配の狭い階段がある。身をかがめて登ると、上には屋根裏の大空間が広がっていた。作業に同席していた娘が、高齢のため屋根裏に登れない父に代わって説明してくれた。
「戦争(太平洋戦争)のときに避難してきた親戚もここに住んだことがあるんですよ。だから前は物置ではなくて、人が住んでいたところなんです」
今は大型の棚やタンス、古い家具家電、ダンボール、不用品などの物置になっている。中には「昭和3年」と書かれた木箱まであった。西暦になおせば1928年。捨てづらいのはわかるが、古いだけではモノに価値はつかない。
それにしても、これだけのモノを一体どうやって屋根裏に運んだのだろうか。どう考えても、棚やタンスは隠し扉の先にある狭い階段には入りっこない。
すると、「私も最近まで知らなかったんですが……」と、男性が不用品の入ったダンボール箱の下を指さす。どかしてみると床が四角の形に外れるようになっていて、そこからヒモを吊るしてモノを搬入していたそうだ。
片付けたくても片付ける術がなかった
現場に入ったスタッフは7名。屋根裏は上に2人、下に2人の計4人で、ヒモを吊るして家具を1階に下ろしていく。1日だけではすべてトラックに積み込むことができず、作業は2日目に突入した。
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