「着物にどハマりした」黒人男性と女性のそれから 着物に突然恋してしまったそれぞれの物語
東洋経済オンライン / 2024年9月24日 14時0分
ジョンソンさんが着物への憧れを知ったのは日本に移り住んだ大人になってからだが、ハリスさんが着物に夢中になったのは子どもの頃だった。
シャーリー・マクレーンが出演した『マイ・ゲイシャ』やパム・ドーバーが出演した『アメリカン・ゲイシャ』など、日本文化を扱ったアメリカ映画を観た1980年代に、ハリスさんは初めて自分の将来を垣間見た。それは衣装だった。彼女はそこにとても魅力的なものを感じた。登場人物は美しくエキゾチックでエレガントな服を着ていて、ハリスさんは王族を連想した。
「あのドレスが着物だとは知りませんでした」と、千葉に住む47歳の小学校教師のハリスさんは言う。「登場人物はプリンセスだとばかり思っていました。そして、どこにでもいる小さな女の子と同じように、私もプリンセスになりたいと思ったんです!」
この好意はそれ以来、日本への、特に着物への生涯の情熱へと発展した。
初めて買ったアンティークの着物はなんと…
しかし、達人への道に障害がなかったわけではない。ハリスさんが初めて着物を買ったのは10代のとき。お金を貯めて初めて着物を買った。故郷のニューハンプシャー州ポーツマスのフリーマーケットで古着を買った。
ただそれが、「アンティークの婚礼着物だとはわかりませんでした」とハリスさん。「ただゴージャスだと思ったの!アメリカンサイズだったし。でも、それがアンティークの結婚式の着物だとは知りませんでした。それは打掛だったのです」。
ハリスさんは生まれて初めて鏡を見て、プリンセスが自分を振り返っているのを見た。彼女は満たされた気持ちになった……母親に見せるまでは。
「母はそれを見て、『汚いわね!すぐにお店に返しなさい!』って。ショックでした。でも結局、それが日本に来た動機の1つになりました。自分のことは自分でやりたいと思ったのです」とハリスさん。
とはいえ、「母の言動がなければ、私の着物と日本への執着はそこで止まっていたかもしれません」とハリスさんは言う。
「ずっと憧れていた着物と日本文化を身近に感じるために、ようやく欲しかったものを手に入れることができたのに、母はそれを返却させました。私はとても動揺し、そしていつか自分のものとして手に入れようと自分に言い聞かせたのです」
そして2003年、ハリスさんは日本に移り住み、小学校の教師として働きながら、主に婚礼用の着物を集めるようになった。しかし、彼女のコレクションが30着近くになると、重くてかさばる着物は住居スペースを占領するようになった。
着物を売るようになって気づいたこと
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