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「頼み事引き受けて後悔しがちな人」意外な解決法 「先のことだからいっか」の罠を逆手に取る方法

東洋経済オンライン / 2024年9月25日 12時0分

余計な仕事を引き受けて後悔するジレンマ(写真:Pangaea/PIXTA)

こんなことはないだろうか? それほど親しくない人から「来月、イベントに来てよ」という誘いを受けたあなた。特に予定が入っていないので、「イエス」と返事したところ、当日が近づくとどんどん忙しくなって、なぜこんな行かなくてもいい約束を入れたのかと後悔する……。心理学では、深く考えずに未来の予定を入れて、後悔することを「イエス→しまった! 案件(Yes/Damn Effect)」と呼ぶ。

「未来の時間」は遠すぎて、自分の状態を予測することが難しいから起こる現象だ。心理学者のハル・ハーシュフィールド氏は、ベストセラー書『THINK FUTURE 「未来」から逆算する生き方』で、頼まれごとを引き受けるときの「イエス」と「ノー」の使い分けを提言している。

最悪な人生を送る若者を変えたある助言

ダニー・ウォレスは20代半ばで、その年ごろにありがちな悩みに直面していた。つき合っていた彼女に振られ、仕事にはおもしろみを感じない。しだいに自身の殻に閉じこもり、人との集まりや交流を避けるようになった。

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1人で過ごすこと以外、何も望まなかった彼は、ありとあらゆる言い訳をひねり出し、人からの誘いを断った。数カ月も経つと、彼は「ノー」しか言わない「ノー・マン」と化していた。

しかしある日の夕方、転機が訪れる。ロンドンの駅で地下鉄が来るのを待っていると「車両故障のため運行中止」のアナウンスが流れた。乗客は不平や不満を口にしながら駅のホームを後にした。

駅を出て代替バスの停留所に向かう途中、ダニーは乗客の1人と言葉を交わし、それがきっかけで、人生のさまざまな悩みを打ち明けた。

「僕の人生、最悪なんです」

あごひげを生やしたその男性は黙ってダニーの話を聞いていたが、「もっと『イエス』と言ってみたらどうだい」と、さりげなくアドバイスしてくれた。

ダニーは彼の言うとおりにした。とりあえず1日だけのつもりで。さっそく、おかしなやり取りが生じた。二重窓の無料見積もりを勧めるセールス電話に「はい、お願いします!」と返事したが、彼の家の窓はすでに二重窓だった。そう告げると、セールスマンは「それならなぜ『イエス』と言ったんですか?」と言って電話を切った。

誰もがする、安請け合いを後悔する経験

やがてこの小さな試みは、大きな挑戦へと変わっていく。ダニーは地下鉄で出会った男性からの「もっとイエスを」というささやかなアドバイスに対して、真剣に取り組むことにした。「全部」イエスと答えたら人生はどう変化するのか、5カ月半にわたって挑戦した。

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