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Z世代は「怒られない職場」に何を思っているのか 当事者不在が生み出すディスコミュニケーション

東洋経済オンライン / 2024年9月25日 9時30分

原田:そうですね。イメージとしては、私たちより上の世代は、怒られたとしても、立ち直りが早いように思います。「なんでできないんだ!」って言われても、「ごめんなさい」って普通に立ち直れている。でも、私はかなりダメージを受けて、くよくよしてしまうんですよね。それがわれわれ世代の一般的な傾向かはわかりませんが。

SNSは個人をむき出しにしている

中村:でも、原田さんのおっしゃっていることはよくわかります。上の世代との違いがなんで生まれるのかは気になりますが、SNSという指摘は面白いですよね。

人って何かのコミュニティに属していると、やっぱり「どこどこの私」っていう感覚を持つと思うんですけど、SNSっていろんな人とつながることもあって、「どこどこの私」というのがだんだん曖昧になっていく性質があると思っています。

解像度の低い昭和世代のイメージですが、「どこどこ中学の○○集団の私」であるならば、誰かに怒られたとしても、「その集団の中の1人だし」って思うことができたのかなと。ただ、SNSの台頭によって、どんどん自分の存在がむき出しになっているのかもしれないなって今思いました。

舟津:うん、うん。ところでSNSで炎上しているタレントさんっていますよね。タレントの多くは事務所に所属しています。仕事の管理や、おそらくキャラ付けや発信の方向性にも、事務所を挟んでいる。だけど、SNSは個人でやるものになってて、バッファーとしての事務所が機能しないんですよね。もともと芸能界は自分を切り売りする世界でしたが、さらに拍車をかけて個人の勝負をさせられてしまっている。それは多かれ少なかれ、みなさんも似たようなことになっているのだと思います。何かを介在させずにむき出しで世の中と対峙しないといけない。

菊池:僕は「怒られたくない」というか、とある長期インターンをやったときに思ったのは、自分の行いで、会社に対して、あるいは外部の人に対して迷惑をかけたくない、というのはありました。だから、電話営業をかけるという負担の大きい仕事を割り振られたときには、やっぱり丁寧なマニュアルや指導をいただきたかったなと思います。感想みたいなもので、申し訳ないですが。

舟津:いえ、本当に感想で大丈夫です。素直に話していただくことが大事ですので。

今の話は、おそらく新入社員の方が抱える不安と似たようなものだと思います。たとえば、電話に出るのが怖い若手社員が増えているみたいな話があって、「電話に出るのが怖いだなんて、情けない」って言われがちです。だけど、電話対応をミスってお客さんが逃げたり、損害や悪印象を与えたらどうしようっていう不安があって、それを背負えないってことなんですよね。

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