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Netflixのお笑い仕掛け人、佐久間宣行の生き様 「トークサバイバー!」を支える"滑らせない力"

東洋経済オンライン / 2024年9月25日 14時0分

「配信元やターゲットを意識しすぎると、誰にでも作れるような作品になってしまうことをこれまでの経験で感じていました。『自分にしかできないもの』をどう入れるかを意識しました」と振り返る。

「トークサバイバー!〜トークが面白いと生き残れるドラマ〜」は、彼にとって初めての大規模な配信プロジェクトだった。ここでぶれることが今後の作品にも影響することを自覚していた佐久間は、成功よりも「後悔しない作品」にすることを最優先に考えた。

「もちろん成功させたい気持ちは強いですが、それ以上に『後悔しない作品にしよう』ということが一番大事でした。それが最終的に、今の形になったんです」

ユニークな作品作りに込めたこだわり

「シーズン1の時は、本当に誰にも企画を理解してもらえなくて、かなり苦労しましたね」と、佐久間の声には、当時の苦労を思い返すかのような深い重みがにじんでいた。

俳優やスタッフに「わざとダサくしてほしい」といった指示を出しても、皆が困惑することが多かった。

「自然な演技じゃなくて、あえて大げさに、というのがなかなか伝わらなくて。現場では俳優さんやスタッフの皆さんが戸惑っていたんじゃないかなと思います」

編集作業においても、佐久間の指示は1つひとつ細かく、徹底的だった。

「『ここで音を一旦カットして、ツッコミが入れやすいようにしてください』とか、最初に付いていた音を全部差し替えたりして、すごく細かいところまで自分で指示を出していました」

その熱意とこだわりが、徐々に形を成し始める頃には、現場のスタッフや俳優たちも次第にその世界観を理解し始めていた。

「振り返ると、あの時の自分はよく頑張ったなと思います。自分のビジョンを貫いて実現できたのは、本当に大きな達成感です」

佐久間は、プロジェクトを進める中で常に自分の直感を信じてきた。特に、周囲が戸惑う様子を見ると、「これはいける」と逆に自信を深めることが多いという。

「みんながきょとんとしている様子を見て、『これは成功する』と思ったんです。最初から納得している企画は、往々にして想定内のものにしかならないんですよ」

その言葉通り、「トークサバイバー!」の完成品を見せたとき、周囲の反応は驚きに満ちていた。

「実際に完成したものを見せたとき、みんなが『おお!』って驚いてくれて、『やっぱりこれはいける』と確信しました。『面白いですね』と言われる作品は、普通は平均的な評価になりがちなんですが、今回はそれを超える手応えがありました。だから、プレッシャーは感じなかったんです」

リアリティショーから着想

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