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任天堂も激怒「酷似ゲーム」会社が犯した痛恨失態 特許権侵害で訴訟され…出した"声明"にツッコミが殺到

東洋経済オンライン / 2024年9月25日 18時30分

今後については法廷に任せられるわけだが、現時点でのSNSを見ると、ポケットペア側に批判的な意見が多い。その理由は、声明文の後半に「当社は東京を拠点とする小規模なインディーゲーム開発会社です」の書き出しから、同社の考え方を書いていることにあった。

声明では、訴訟によりゲーム開発以外にも時間を割く可能性があるとして、「ファンの皆様のため、そしてインディーゲーム開発者が自由な発想を妨げられ萎縮することがないよう、最善を尽くしてまいります」と決意を示した。この文章に「インディーゲーム業界を代表するな」とのツッコミが相次いだのだ。

任天堂といえば、改めて言うまでもないゲームのトップメーカーだ。その知名度は日本だけでなく、全世界に広がっている。あえて「東京を拠点とする」と書くことにより、絶対強者たる任天堂と、無名の弱者であるポケットペアという図式を作りたかったのかもしれない。こうした対立構図による「下克上のストーリー」は、確かにイメージ戦略的にはアリだ。しかし、自らに批判の目が向けられているタイミングには、あまり適した手法とは言えない。

加えて、SNS上のコミュニケーションにおいて、「大きすぎる主語」は批判の的にされがちだ。同じカテゴリーにくくられた人々から「お前に代表してもらった覚えがない」と言われたら最後、むしろかえって居場所を失いかねない。

そもそも、すでにポケットペアは「インディー」と言えないのではないかとの見方もある。7月にはソニー・ミュージックエンタテインメントと、アニプレックスとともに、パルワールドのライセンス事業を手がける「パルワールドエンタテインメント」の設立を発表している。ノウハウを持つ大手と組んでIP(知的財産)を展開するとなれば、それはもはやメジャーなのではないだろうか。

さらに声明文は、主語の大きさに加えて、「同情を求める文章」だったことが、火に油を注ぐ結果となった。文字ベースのコミュニケーションにおいて、感情をあらわにした表現は、どちらに転ぶか、状況によって変わってくる。うまく興味を引くことができれば効果的だが、そうでない場合には、不要な反感を買いかねない。

感情を込めた描写は、ときに「お気持ち表明」と呼ばれ、嘲笑の的になることもある。また使い方によっては、「お涙頂戴」もしくは「ユーザーにこびている」のように感じさせてしまう。そうなれば、本来は枝葉でしかない部分ばかりに目が向いてしまい、本来伝えるべきメッセージはかすんでいく。

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