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日本企業に足りないのは「いい意味の"宗教化"」だ 現代こそ「働く人の腹落ち」が重要!御社はOK?

東洋経済オンライン / 2024年9月27日 11時0分

日本の伝統的な大手、中堅企業の多くでイノベーションが足りないと言われる。多くの日本企業が、「知の深化」だけに偏りがちなのである(写真:metamorworks/PIXTA)

「宗教」と「優れた企業経営」には実は共通点があり、「現代の強い企業」は、いい意味で「宗教化」していく。

それらの主題をもとに、世界の宗教事情に精通したジャーナリストの池上彰氏と、『両利きの経営』の解説者で早稲田大学教授の入山章栄氏が語り合った『宗教を学べば経営がわかる』が発売された。

同書を再編集しながら、「宗教」と「優れた企業経営」を理解するうえで最重要理論のひとつ「センスメイキング理論」に触れつつ「日本企業に決定的に足りない『いい意味での"宗教化"』」について、入山氏が解説する。

多くの企業が「知の深化」に偏りすぎている

前回の記事(「両利きの経営」って何?今さら聞けない"超基本")で述べたように、世界の経営学で、イノベーション創出のメカニズムを説明する最も有名な理論が「知の探索・知の深化の理論」で、日本では「両利きの経営」の名称で知られている。

【図1枚でわかる】日本企業に決定的に「足りないもの」

企業がイノベーションを起こしていくには、まず「知の探索」で「遠くの離れた知と知」を組み合わせる。

他方、「探索」の結果うまくいきそうなものが出てきたら、徹底して深掘りして効率化する(「知の深化」)。

その両方をバランスよく行うことが重要なのだが、ここで大きな問題が出てくる。

一般に、企業は「知の深化」に偏ってしまう傾向があるのだ。

これは「企業の本質」でもある。

企業が「知の深化」に偏ってしまう3つの理由

第一に、人や組織の認知にはそもそも限界があり、「目の前の知」を見てしまいがちだ。

第二に、「探索」は時間やコストがかかる。自分の認知を超えて遠くを幅広く見るのは、時間も、人も、余分なお金もかかる。

第三に、「知の探索」は遠くの知を組み合わせてみることだから、失敗も多くなる。結果、効率性を重視したい企業にとって、「探索」は無駄に見えてしまうのだ。

いま日本の伝統的な大手、中堅企業の多くでイノベーションが足りないと言われる。

そうなのであれば、経営学的にはその理由は明快なのだ。

多くの日本企業が、「知の深化」だけに偏りがちなのである。

では、どうすれば、企業はこの傾向を脱して「知の探索」を続けられるのだろうか?

その様々な施策については、拙著『世界標準の経営理論』や、私が監訳した『両利きの経営』などをお読みいただきたいが、ここでは、新刊『宗教がわかれば経営がわかる』で池上彰さんとの対談で話題となった「特に重要な視点」に絞って解説しよう。

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