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「共感ばかりしていると頭が悪くなる」の納得理由 自己成長できない根本的な問題が隠されている

東洋経済オンライン / 2024年9月27日 14時30分

私たちが今、真剣に考えるべきことは「いかに情報を得るか」ではなく、「いかに情報を捨てるか」ではないでしょうか(写真:zon/PIXTA)

現代人が1日に浴びる情報量は、おおよそ江戸時代の1年分、平安時代の一生分といわれています。情報が増えすぎたことで、必要な情報にたどりつけない、ニセ情報に騙される、そんな事態が容易に生じうる時代だからこそ、私たちが今、真剣に考えるべきことは、「いかに情報を得るか」ではなく、「いかに情報を捨てるか」ではないでしょうか──。

トヨタ、TBS、アクセンチュア出身の戦略コンサルタントで、データサイエンティストでもある山本大平氏の新刊『消耗せずに成果が出る「情報の捨て方」』より、私たちを消耗させる99%の情報を捨て、その先の1%に集中するコツを紹介します。

共感情報に浸ると人間はバカになる

みなさんは「共感」という言葉をどのように捉えていますか? ポジティブな言葉として捉えていますか? それともネガティブな言葉として捉えていますか?

「あの上司の言うことには共感できる」「友人の意見に共感した」「その本の内容に共感する」。誰かの話を聞いて「共感しました!」、あるいは「共感してもらえてうれしかった」といったようなセリフを耳にすることがよくありますが、私はこの「共感情報」に浸っていると人間はどんどんバカになると思っています。

もっともここでいう「情報」とは、「日々の自分の行動の指針となるもの」、あるいは「自分が最適な判断を下すための材料」と定義しています。

そのため、「共感している状態」は自身の思考力も洞察力も停止している状態とネガティブに捉えています。つまり、共感が多い環境は自己成長できない環境ということです。

「共感」という言葉は、少し視点を変えれば「私が考えていたことに合致することを、あなたは言った」と、自分の考えの正しさを確認するための言葉ともいえます。

思考力を鍛えるために必要なこと

それでは、なぜ「共感」ばかりしていると思考力が低下し、成長が阻害されてしまうのでしょうか。

それは、人が一番成長するのは「何これ?」「よくわからない……」という、自分が理解できないモノに出合ったときだから。得体の知れないものや、理解が及ばないことに対して「なぜ?」と考えを巡らせることで、思考力が鍛えられ、成長していきます。

一方、「共感」は、自分の中にあるものとの共鳴にすぎません。「共感」している間は、人は「これまでの考えの域」を出ないのです。それゆえに、共感できるものばかりを求めていると洞察力は鍛えられず、自身の成長も鈍化してしまいます。

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