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「共感ばかりしていると頭が悪くなる」の納得理由 自己成長できない根本的な問題が隠されている

東洋経済オンライン / 2024年9月27日 14時30分

みなさんは問題解決するにあたって、この2つのフェーズを明確に区分できていますか? 

例えば、話が噛み合わない会議は、9割方、このフェーズ固定がないまま会議が進行されています。WHYの話とHOWの話がごちゃ混ぜで議論されているのですから、不毛な会議になるのは必然です。

この話をシンプルにするために、例を挙げて説明しましょう。隣の人に「鉛筆、貸して?」と言われたとします。しかし、あなたは鉛筆を持っていません。

ここで、「ごめんなさい、鉛筆はありません」と答える人は、目的の本質を捉えていません。なぜ「鉛筆を貸して?」なのか。真因は「書くものを持っていないから」です。そのため、「鉛筆がないのでボールペンでもいいですか?」と応えられれば、相手の目的を達成できるかもしれません。

表面的な要求(=HOW)にとらわれず、その背後にある本質的な目的(=WHY)を理解した状態で、あなたなりのHOWを提案する必要があります。これらの所作が難解な課題でもできるようになってくると、思考の質が格段に上がっていきます。

最近の生成AIブームを考えてみましょう。当社でも「最新の生成AIを導入したい」(=HOW)というクライアントからの依頼が増えています。

多くの場合、その目的は「効率化」です。さらに突き詰めると、「原価低減」や「人件費の削減」が真の目的(=WHY)です。では、生成AIの導入が必ずしも効率化を達成するかというと、そうではありません。

たとえ導入したとしても、そのソフトやシステムを使いこなせる人材が少ない場合は、その分当初よりコストが膨らみます。特に、技術的なノウハウが必要になる場合、永遠にそのコストを圧縮できない状態に陥ります。

そしてこの生成AI活用術のブームが過ぎ去ったら(細かいノウハウを必要としない技術が追加されたら)、かけた予算は水の泡です。そしてその時代はすぐそこまで来ています。

この場合は、AIのアルゴリズムを経営陣が理解する必要があります。なので弊社では、そのような相談がきた場合は、まずは導入コストをかけたことによる最悪のシナリオと、AIのアルゴリズムを簡素化して教えるようにしています。よくないと知っていて、高いシステムやコンサル人員を提供するコンサル会社もあるようですが……。 

つまり、目的の本質を見失わずに、自分の頭で根っこの部分を理解してから、最適な手段を選ぶことが必要ということです。

捨てきった先に残るのは「自分の思考」

さて、もうおわかりかと思いますが、「コンサルを捨てる」の裏側には、要するに「自分で考える機会を捨てない」があります。何事においても、一瞬で解決できる「魔法の杖」を与えてくれる人はいません。そもそも、そんな杖自体が存在しませんから。

さんざん自分で考えてみて、ようやく「試してみる価値のある解決策」が見えてきます。それすらも、試したらダメかもしれない。ダメならダメで、さらなる打開策を練る。

成果を出せる人間こそ、この地道な思考と作業をくり返します。当事者として人生の舵をあやつり、航行していくとは、こういうことなのだと思います。

山本 大平:経営コンサルタント、F6 Design代表取締役

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