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女優「奈緒」が語る、婚活アプリのリアルな一面 辻村深月のベストセラー「傲慢と善良」が映画化

東洋経済オンライン / 2024年9月27日 15時0分

奈緒が語る「警戒心を取り払う」という姿勢の裏には傷つくことへの恐れや不安も少なからずあるはずだ。それでも彼女は、鎧を脱ぎ捨て本音で向き合う。この姿勢こそが、彼女の演技にリアリティと深みを与え、多くの視聴者を魅了する要因のひとつかもしれない。

奈緒が挑む話題作『傲慢と善良』

奈緒が挑戦する最新作、映画『傲慢と善良』は、辻村深月のベストセラー小説を原作とした注目の実写化作品だ。この小説は、発行部数100万部を突破し、リリースによると「人生で一番刺さった」と多くの共感を集めているそうだ。9月27日(金)に公開される本作は、マッチングアプリで出会った二人の恋愛を軸に、現代のリアルな恋愛観と価値観を男女それぞれの視点から描いている。

物語は、結婚を目前に控えた架(藤ヶ谷太輔)と真実(奈緒)の恋愛が、真実の突然の失踪によって暗転し、彼女の過去と隠された嘘が明らかになっていく恋愛ミステリーだ。奈緒が演じる真実は、架の婚約者でありながら母親の影響から逃れられず、消えるという選択をした女性。彼女の知りたくなかった過去と嘘が次々と明らかにされていく。奈緒自身もこの役に深い共感を寄せており、真実の行動を善悪で判断せず、なぜ彼女がそう考え、行動したのかを理解することを大切にして演じた。

「真実にとって家族の存在が非常に大きくて、切り離せないものであるという部分に共感しました。私も母と一緒に住んでいるので、大人になっても家族が近くにいると、なかなか自分一人で決められないことが多かったんです。真実のお母さんとは違いますが、“家族にどう思われているか”を気にするところは、自分自身にもすごく重なる部分がありましたね」

このキャラクターを深く掘り下げた奈緒は、真実が抱える葛藤についても考察を深めている。「彼女は、人からどう見られているかというイメージと、自分がどうしたいかの間で苦しんでいる人だとも思います。最終的に自分を見つけることが目的なんです」。

奈緒が、公式インタビューで「自分を好きになれなくて蓋をしたい気持ちを、この『傲慢と善良』という言葉が救ってくれた」と語った背景には、こうした真実の内面に対する深い理解があったのだ。

「例えば、誰かに点数をつけてパートナーを選ぶというような表現を聞くと、その言葉に少し傲慢さを感じてしまうことがありました。そのため、その言葉に対して違和感や居心地の悪さを覚えていたんです。でも、人間にはそういう傲慢な部分があるものだと、作品を通じて理解できたんですね」

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