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大阪梅田「ロフト閉店」に見る雑貨店の栄枯盛衰 「宝探しの高揚感」を維持するには工夫が要る

東洋経済オンライン / 2024年9月27日 20時0分

ロフトは1987年、渋谷西武の隣に誕生した。百貨店では取り扱えないような小さなブランドも取り扱っていることが魅力の一つで、私が感じた「同じ商品でも種類が多い!」というのは、ロフトの初期からの強みの1つだったのだ。

そんなこともあり、渋谷では、近くにあった東急ハンズ(現ハンズ)と並んで「こだわりの雑貨が買える店」として、若者を中心に絶大な人気を誇ってきた。梅田ロフトを見て思ったのは、ロフトはまだまだ、こうした強みをがんばって持ち続けているなあ、ということだ。

とはいえ、ロフト、うかうかしていられない?

ただ、もっとよく店舗を見て回ると、「うかうかしていられないのでは?」と思うこともある。私が歩いていて感じたのは「いろんなものがあるが、欲しいものがさほどない」ということ。


店内にあったポスターには、同じ商品でもいろんなバリエーションを揃えているから「あなたが欲しいモノが見つかる」と書いてある。でも、なんだかこれと反対のことが起きている気がしたのだ。

ロフトがいくら雑貨で多種多様なものを揃えようとも、現在はネットという強敵が立ちはだかっている。正直、リアル店舗の品揃えは、ネットに敵わない。ECで細かい自分の好みに合った商品を探せる時代に、この方向は厳しいのでは?と率直に思ってしまったのだ。

今、リアル店舗に行くときの誘引力になるのは、例えばその店のプライベートブランドがある場合だろうか。無印良品は、そこで売られている「無印ならではの商品を無印の空間で買う」ことまで含めてブランディングされている。

でも、ロフトの場合、そこで売られている商品は、さまざまな別ブランドのもので、別にロフトで買わなくてもなあ……となってしまう(加えて、ロフトがPBをやっても、その商品を空間と合わせてブランディングできるかは微妙なところだ。実はかつて、ロフトはPBをやっていたが、事実上の撤退をしたこともある)。

業態は全然違うけれども、筆者がこうしたロフトの状況に似ているな、と感じたのが総合スーパーの「イトーヨーカドー」である。

「総合スーパー」というだけあって、いろいろなものが売っているのだが、すでに専門チェーンが豊富な現在、そこにある商品はどれもこれも中途半端に感じてしまい、「なんでもあるけど、欲しいものがないなあ」と思ってしまう。

意外と、これはロフトにも言えるのかもしれない。わざわざヨーカドーで(ロフトで!)買うメリットが、消費者にとって感じられないのだ。

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