地震に台風…「クルマ×防災」はどうなっているか 業界団体や自動車メーカーの取り組みと課題
東洋経済オンライン / 2024年9月29日 13時30分
大型台風の日本横断、能登半島地震、南海トラフ地震臨時情報、今も完全収束しない新型コロナウイルスの猛威――。
【写真】被災経験者の中にはキャンピングカーを活用して「備え」の大切さを感じた人も
さまざまな災害に直面する日本では今、防災に対する関心が高まっている。そんな中、「クルマ×防災」という観点で注目されているのが、キャンピングカーの活用だ。
キャンピングカーに関する業界団体、日本RV協会では被災地支援、防災訓練への参加、そしてキャンピングカーショーやキャンピングカーフェアの開催などを通じて、防災に対する啓蒙活動を進めている。
また、「くるまの防災ハンドブック」も作成。被災時の車中泊避難の注意点、エコノミー症候群の予防、そして防災のために車載する各種用品などについて紹介している。
実際、災害時にキャンピングカーを利用した経験のある人たちからは、「ペットと離れ離れにならなくてよかった」「余震が怖くて自宅で寝ていられなかった」「もう若くないので何かあったらと思い、“備える”は大切だった」など、キャンピングカーの有効性についての声が上がっている。
筆者はトヨタモビリティ神奈川の「ハイエース キャンパー アルトピアーノ」を日常的に使用しているが、組み込み式の車載バッテリーの他に、大型のポータブルバッテリーを2つ、ポータブルソーラーパネル(100W)を3つ常備して自宅用と使い分け、もしもの場合に備えているところだ。
実証検証「JAFユーザーテスト」の有用性
こうした、クルマを使った「被災時の過ごし方」とは別の観点でも、企業や団体、また自動車関連メディアなどから、さまざまな「クルマ×防災」の情報が発信されている。
そのひとつが、台風接近を知らせるニュースなどでよく目にする、一般社団法人 日本自動車連盟(JAF)による情報だ。中でも注目されるのが、実証検証「JAFユーザーテスト」である。
JAFによれば、「JAFは自動車ユーザー団体の立場として、自動車ユーザーが普段感じている疑問や不安を解決し、その結果、社会的課題などを解決することを目的にさまざまなテストを実施している」と、ユーザーテストを定義付けている。
夏の車内温度上昇といったテストも例年、よく取り上げられるが、今回はテスト項目の中にある、災害(豪雨/落雷/水没/濃霧/強風)に焦点を当てたい。
災害に関するユーザーテストでは、水没時に「水深何cmまでドアは開くのか?」や「水没時、何を使えば窓が割れるのか?」「落雷時、車や車内にいる人への影響は?」といった、災害に遭遇した場合の行動や心得が、動画によって確認できる。
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