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地震に台風…「クルマ×防災」はどうなっているか 業界団体や自動車メーカーの取り組みと課題

東洋経済オンライン / 2024年9月29日 13時30分

こうした災害の分類について、JAFは「自動車ユーザーが安心して運転できるようにという観点から、実際に起こる可能性の高い災害や自動車ユーザーからの意見を参考にテーマ(分類)を設定した」としている。

また冠水は、集中豪雨によりアンダーパスで発生した状況を想定しているが、JAFユーザーテストにおける水深値の設定などについては、「自動車ユーザーの声を参考にしながら、その分野の有識者や使用するテストコースの担当車の意見を聞いて設定することが多い」という。

メーカー介在なしで行われる独自性

ユーザーテストを実施する場所は、テストコースなど想定する実験ができる場所を全国で探しているとのことだ。

使用する車両については「テストの内容によるが、一般的に(街中で)よく見かける車両から選定。最近では電気自動車やハイブリッド車での実施、または検討をしている」という。

そのうえで、自動車メーカーとは「基本的にテスト内容や情報の共有、テスト後の評価等について(のやりとり)は行っていない」と回答した。

このように、JAFユーザーテストは、国が道路運送車両法などに定める車両の基準にともなうものでも、また自動車メーカーの社内基準と照合されているものでもなく、あくまでもJAF独自の視点で実施されているものである。

では、自動車メーカーの「クルマ×防災」に対する取り組みは、どうなっているのか。

まず「被災時の過ごし方」では、クルマから外部への給電機能を装備するモデルが増えている。

EVや燃料電池車の場合、専用機器を介するシステムがあるほか、ハイブリッド車でも100V/1500W電源の標準装備化が進んでいる。

また、日産「ブルー・スイッチ」に代表されるような、災害発生後の電源確保のために、地方自治体や自動車販売店と連携する動きも全国に広がってきたところだ。

一方で、前述のJAFユーザーテストのような、災害時の具体的なクルマとの向き合い方についての情報公開は、あまり目立たない印象がある。

もっと具体的なガイドラインを

こうした領域の自動車メーカーの対応方法について、新車開発に携わる各社のエンジニアらに意見を聞いたことがある。

その際、よく出てきたのが「性能限界」という表現だった。

いわゆる「走破性」について、モデルごとに違いがあるのは当然だ。本格的な4輪駆動車と、街乗り用のFF(前輪駆動車)では、走破できる路面の状況や、冠水時の水深は違う。

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