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ストロング系「1日10缶男」断酒後に体に起きた異変 アルコールから離れても、一件落着とはならずに…

東洋経済オンライン / 2024年9月29日 13時5分

さらに、コンビニに行ってもコカ・コーラの「ジャックダニエル&コカ・コーラ」やアサヒビールの「未来のレモンサワー」がある。飲んでみたいが、ちょっとでもアルコールを口にすると、一気に結界と覚悟が崩れてしまい、スリップ(断酒失敗)してしまうことは十分わかっている。

その飲酒欲求に打ち勝つため、会社での忘年会や宅飲みをするときは、自分が飲んでみたい酒を大量に購入していく。それをタダで飲んでもらい、相手が酔っていく姿を見ているときに「あぁ、楽しそうだな……」と喜びを感じるのだ。懐かしさと一抹のセンチメンタルさを味わいながら、自分専用として購入したノンアルコールビールを6缶すべて飲み干す。

やはり、酒を飲みたいという気持ちはあるが、過去に飲みすぎたことで苦しんだことを体が覚えているので、迂闊に手は出ない。ただ、飲み会や居酒屋は好きなため、飲まなくてもひとりで入店することもある(ちなみに、この原稿はスポーツバーのHUBでコーラを飲みながら書いている)。

アルコールではない、その他の依存先を見つけた

そして、食生活も可能な限り1日3食を目指しているが、今でも仕事が忙しいのは変わらないため、難しいときもある。とはいえ、飲酒と同時に食欲が増進するようなことはなくなったので、かつてのような暴食はしていない。

その一方で、体内からアルコールが抜けた結果、ドーパミンを分泌させるためなのか、毎日ホールケーキ半分程度のコンビニスイーツを口に頬張っている。

「中島らもや吾妻ひでおの本に書いてあった通りだ!」と当初は体の変化にワクワクしたが、酒よりも甘いもののほうが金はかかるのだ。ようやく酒をやめられたのだが、毎月の食費がいくらかかっているのか、考えたくもない。

おまけに前編でも書いたが、今は毎晩ノンアルコール飲料を5缶も飲んでいる。それもジュースではなく、ノンアルコールビールやノンアルコールレモンサワーだ。今はこれがないと飲酒欲求を抑え込むことができず、さらに眠ることができない。

また、深酒しなくなったため、最近はよく夢を見る。筆者は中学2年生から父親の仕事の関係でアメリカに引っ越すことになったのだが、なぜか渡米初日の光景が繰り返される。当時は不安と楽しみの両方を抱えていたのだが、今見ている夢の中で筆者は「アメリカにもノンアルコールのレモンサワーはあるのかな?」と両親に聞いている。夢の中の自分は中学生だが、その夢を見ている筆者の頭の中は30代なのだ。いよいよ、ノンアルコール飲料に依存し始めている。

このように、今ではアルコールではない、その他の依存先を見つけた(見つけてしまった)。幸か不幸かわからないが、今は毎日ストロング系を10缶飲んでいた頃よりも健康ではある。定期的に通っている病院では体重が減らないことを心配されているが、それは夕食の代わりにコンビニスイーツを大人買いして、一気にかき込んでいるからだ。

今後、ノンアルコール飲料、スイーツ、そして今回詳しくは書かなかったが、睡眠導入剤を、また酒のときのように止められてしまっても(むしろ、止められたい)、結局次の依存先を見つけることになるのだろう。「今のうちにNintendo Switchでも買っておこう」と思うと同時に、なにかに依存していないと生きていけない読者(同志)には、筆者の体験談が少しでも学びになることを願っている。

千駄木 雄大:編集者/ライター

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