週休3日のスーパーが最高利益を更新し続ける訳 「長時間営業」は不安からの逃げでしかない
東洋経済オンライン / 2024年10月25日 11時30分
「私、週末にここに来る楽しみがあるから、1週間つらい仕事を頑張れるんです」といった言葉をいただくこともあるそうです。
しかし、それだけ支持されているからこそ、営業時間や営業日を減らすのは大きな決断だったと思います。結果は、どうなったのでしょうか。
営業時間を減らすことで売上が減るどころか、むしろ伸びたのです。
その後エスマートでは、毎週火曜と水曜の完全週休2日になり、2024年3月からは、なんと週休3日になっています。しかし、売上・利益ともに過去最高を更新し続けているのです。
単なる「客」と「顧客」は違うものです。「客数」を増やしたかったら営業時間を延ばせばいいのですが、「顧客」を増やすためには、実は営業時間は関係ありません。
逆に言えば、一定以上の「顧客数」があれば、営業時間を増やす必要はない、むしろ減らしても問題ない、ということです。
「忙しい自分」に依存していないか
昨今は、「長時間労働は悪だ」と言われることが多くなっています。私自身は、すべての長時間労働が絶対に悪だとは思っていません。どうしても切りのいいところまで終わらせたいこともあるでしょうし、仕事が面白くてつい徹夜してしまうことだってあるでしょう。でも、売上の不安から逃れるために、長時間労働に逃げてしまっていたとしたら?
「飲食業は、売上が不安になってくると、つい営業時間を延ばしてしまうんです」
こう語るのは、都内で飲食店を数店経営するティナズダイニング社長・林育夫さんです。
シェフである林さんはご自身も日々、お店に立ってきました。林さんは言います。
「ある飲食店の専門雑誌にも、成功事例として、『お店はお客さんが来るまでに開ける。帰るまで開け続けること』と書いてありました。僕は朝10時半から次の日の朝6時まで働く日が増えました。売上はわずかに増えても利益は少ないまま。50歳を過ぎて体力的には限界に達しようとしていました」
体力的にはもう限界。しかし当時の林さんはまだ、それ以外の世界があることを知りませんでした。
長時間労働について、先ほどのエスマート・鈴木さんはこうも言います。
「以前、仕事がつまらなかったころを振り返ると、そんな自分を正当化するために、年中無休で働いていた。そうすることでこんなに頑張っているんだから、と自分を正当化していたようにも思います」
恐ろしいのは、「共依存」の関係に気づけないこと
そう、人は仕事が楽しくて長時間労働をすることもあれば、仕事がつまらなくて長時間労働をすることもあるのです。
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