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佐々木朗希のMLB移籍、大谷翔平との決定的な違い システムの問題だけではない「認められる」条件

東洋経済オンライン / 2024年11月13日 8時40分

25歳未満で移籍した大谷翔平も、前代未聞の二刀流で大活躍し、2016年にはMVPを受賞している。また、当時から大谷は別格の人気であり、観客動員に大きく貢献した。またファンも大谷が「メジャー志向」であることをよく知っていたから、25歳未満での移籍にも理解を示したわけだ。

しかしながら、今回の佐々木朗希の場合、2022年に史上最年少で「完全試合」を達成するなど、そのポテンシャルは、投手大谷翔平や、山本由伸を上回っているが、故障や不調が多く、過去4年のキャリアで1度も規定投球回数(143イニング)に達したことがない。最も多く投げたのは2022年の129.1回だった。

たしかに佐々木朗希は、抜群の能力を持つ投手であり、マウンドに上がることさえできれば圧倒的なパフォーマンスを演じるが、シーズン通してチームに貢献したとはいいがたく、エースの称号を与えるには躊躇がある。年俸も8000万円であり、中堅投手の評価だと言ってよい。

当時の大谷翔平の成績と比較すると…

恐らく佐々木朗希サイドとしては、大谷翔平という前例があるから、佐々木にも「25歳未満ルール」でもポスティング移籍する資格があると判断したのだろう。2人のNPB時代の投手成績を比較するとこうなる。

大谷翔平 5年
 85試合42勝15敗1ホールド543回 防御率2.52
佐々木朗希 4年
 64試合29勝15敗394.2回 防御率2.10

すごい防御率ではあるが、ざっくり言えば佐々木の成績は大谷より「1シーズン分足りない」と言える。その上、佐々木の場合、間隔が空きすぎると批判があるNPBの「中6日」のローテーションでさえ、満足にクリアしていないのだ。

この成績でのMLB移籍は、かなり「無理筋」だと言える。

MLB球団にとっては、大谷翔平級のポテンシャルを持つ投手を「マイナー契約」で獲得できるのだから、入札合戦が起こるのは必定だ。

佐々木朗希は形式上は「マイナーリーガー」であり、まだ23歳だから、いきなりMLBの過酷なローテをクリアすることは求められないだろう。

「育成期間」はあるだろうが、最終的にはメジャー流の中4日のローテを維持し、100球を投げることが求められる。これまでシーズン20試合しか投げてこなかったのが、MLBでは30試合は投げることになるのだ。

多くの識者が言う通り、まずはNPBの規定投球回数(143イニング)をクリアしてから、MLB移籍を考えるのが常識的だったと思う。

今年の移籍になぜ固執したのか?

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