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ファン心理を格好の餌食にする「転売ヤー」の実態 総額「600万円超」で仕入れられた"羽生グッズ"

東洋経済オンライン / 2024年11月23日 17時0分

フォロワーは800人ほどで頭打ちとなったが、購入意欲は高かった。フォロワーから「柚子がイメージキャラクターを務めるこんな商品が発売されるからぜひ入手してきて」と、要望を受けることもあった。

展覧会開催前と会期中、Lは小紅書で生配信を複数回行い、会場で売られる限定商品の注文を受け付けた。結果、同展終了までに、約250人から注文を受けた。会期中に羽生が現役引退を表明すると、それまで以上のペースで注文が入るようになった。

Lは注文量以上に購入した商品もあった。即売はできなくても、いつかは売れるだろう、もしかすると少し時間が経ったほうが価値が高まるかもしれないと思ったからだ。

実際に、同展終了後に行った生配信や投稿で、完売。これらによって300万円の利益をたたき出したのである。これほど簡単に売れるのであれば、もう少し価格を高く設定するべきだったと多少後悔したという。

結婚の話題で羽生グッズ転売からは身を引いた

大変だったのは梱包と発送だ。注文から発送まで1カ月の猶予期間を設定していたが、それでも流石に1人で250件以上の注文を処理するのは気が重い。

過去に、1日に1人で50点程度の発送をしたことはあったが、なにせ今回は桁がひとつ違うのだ。そこでLは友人2人にアルバイトに来てもらい、2日がかりですべての発送作業を終えた。

ちなみにLはこのアカウントの更新を、2023年9月末以降行っていない。最後の投稿は羽生結婚の話題だ。彼が伴侶を得たことにより、羽生の中国でのカリスマ的な人気は落ち着きを見せると予想したLは、羽生グッズの転売から身を引いたのである。

そのLの「読み」は結果的には当たることとなる。衝撃の結婚から3カ月後に、羽生は妻との離婚を発表。一部のファンに再び大きなショックを与えたようで、羽生グッズの需要にも陰りが見えたという。

「人気を誇った転売品もいつか必ず旬が過ぎる。だからこそ、また新しい転売品に注目が集まり、私たちに儲けのチャンスを与えてくれる」

Lは新たな商材探しに没頭しているためか、微博の『超話』を開いたスマホからひとときも目を離すことなく、独り言のようにそう呟いた。

奥窪 優木:フリーライター

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