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絶望パスタの「ホームズ」チェーン展開の真相 こだわりオーナーシェフの味を次代に承継

東洋経済オンライン / 2024年11月23日 10時30分

「コロナ前まで急成長、上場も目前だったが、コロナ禍でストップ。新しい投資もできなくなったことから、リブランディング事業に方向転換した。一方で、これまで事業を行う中で高齢化等さまざまな理由で個人店が消えていく現状を肌で感じてきた。日本の食のクオリティを守り、なおかつ世界に発信していきたいと考え、新たなプロジェクトを立ち上げた」(川俣氏)

プロジェクト名は「未来に残したい日本 継なぐプロジェクト」。その1号案件となったのがホームズパスタだった。たまたま、東京レストランツファクトリー代表取締役の渡邉仁氏も「大学の頃から通っていた」長年のファンだったという。

「名店ではオーナーやシェフの職人気質、こだわりの強さが品質を支えているが、反面それが障害となり、その品質が伝えられることなく消えてしまう。ホームズパスタも、例えばコンビニからのコラボ依頼など、企業からのさまざまなオファーがあったが、『味が再現できない』と、断ってきたと聞いている」(川俣氏)

その職人気質なオーナーシェフが、今回FC化の話を受けることにしたのは、誰もが自分の健康について考えることになった、「コロナ禍」というタイミングもあったのでは、と川俣氏は推測する。

また、東京レストランツファクトリーは高級和食の経験が長く幹部に職人も多いことから、味の再現が高いレベルで可能なことも、オーナーを口説き落とせた理由になっている。

川俣氏によると、オーナーシェフが考案した繊細な味わいの料理は、刻み方、和えるタイミング、火加減等で微妙な差異が生じるため、レシピ通りに作っても同じ味を再現することはほぼ不可能なのだという。またその日の気温や湿度によって火加減を調整する必要もあるそうだ。

そのためスパゲッティのソースについてはFC店で再現するのは困難なため、セントラルキッチンで仕上げたものを使用。また火加減の感覚は人によってまちまちで、作る人によって味がぶれやすい。そこでFC店にはガスでなくIHを設置、材料を入れるプロセスに対し最適な温度を設定し、味の統一を図っているそうだ。

ニンニクの香りが押し寄せてくる「絶望のスパゲッティ」

このたび、渋谷では2店舗目となった東急プラザ店を訪ね、その実際について確かめてみた。店舗エントランスは商業施設のレストランフロアにしては珍しく、小さめで隠れ家的な雰囲気だ。もともとのビルに合わせたシックな内装だが、レンガ調の壁に1号店らしさを表現している。

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