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「東大と吉本が組む」不思議な組み合わせの狙い 地方にどう貢献するか、笑いと頭脳で取り組む

東洋経済オンライン / 2024年11月23日 13時0分

この日のイベント参加者は472人。うち認定証を受け取ったのは263人。東大生と芸人によるひねりの利いた高難度の謎解きクイズに制限時間いっぱいまで向き合い、会場には賑やかな笑い声と子どもたちのキラキラする笑顔があふれていた。

別府市が仕掛ける若者向けのブランディング

東大と吉本興業による本プログラムに参画し、一丸となって準備を進めてきた別府市。世界2位の温泉湧出量を誇る市として知られる一方、2017年から“遊べる温泉都市構造”を掲げ、温泉に浸かりながらアトラクションを楽しめる「湯~園地」計画を策定するなど、エンターテインメントを地域活性化の軸に据える政策を行ってきた。

そんな市政の指揮を執る長野恭紘市長は、今回のイベントの狙いをこう語る。

「別府市では、毎月のようにいろいろなお祭りが開催されています。エンターテインメントで生きる街を掲げており、別府を訪れる方に楽しんでいただくのはもちろん、市民がワクワクする街作りをテーマにしています。そのなかで、吉本興業さんとは相性がいいとずっと思っていました。

別府市には、3つの国際大学があり、さまざまな学生がリアルなフィールドワークをする多様性がある街です。そんな街で、日本の最高学府である東大の学生に、別府の多様なお祭りの1つをフィールドワークの場として活用していただくことは、われわれにとっても貴重な経験であり、PRの場にもなると考えています」

地域の社会課題の解決に向けて、エンターテインメントを取り込む別府市。「湯~園地」計画は市政としてはトリッキーな施策にも見えるが、長野市長は「われわれはウェルビーイングを掲げています。市民にいかに幸せを実感してもらえるか。日々の生活のなかに幸せがあるような街にしたい。それを独自路線で目指しています」と力を込める。

その背景には、一部の大都市を除く全国各地の地方自治体と同様、人口減少が別府市にとって最大の課題になっていることがある。

別府市ほどの知名度の高い街であっても、定住人口を増やすことは現実的にはなかなか難しい。そんな状況を認識しつつ、長野市長は「別府市は人口減少時代の幸せな街のロールモデルになれると考えています」と語る。

「ウェルビーイングとエンターテインメントをかけ合わせることで、いままでにない総合エンターテインメントの街になって、交流振興を図りたい。別府といえば、昔ながらの温泉街だけでなく、洗練されたエンターテインメントの街というブランディングを若い人たちに向けて仕掛けていきます。

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