「東大と吉本が組む」不思議な組み合わせの狙い 地方にどう貢献するか、笑いと頭脳で取り組む
東洋経済オンライン / 2024年11月23日 13時0分
いろいろな地域を巡ってきた人が、ひとつの拠点として別府市を選ぶ。そんなフックを作っていきたい。また、今回のような取り組みによって、地元の人たちと外から来た人が一緒に幸せを感じれば、もしかしたら人口を増やすことができるかもしれないですよね」
東大生が社会課題の解決に取り組む意義
一方、東大生のキャンパス外の学びの場となる「体験活動プログラム」は、国内外を問わず、社会貢献活動や国際交流、地域体験、企業提携など幅広い取り組みを実施しており、今年だけで国内60本、海外24本ほどある。そのなかでエンターテインメントに関わるものは、吉本興業とのプロジェクトのみだ。
多種多様なプログラムを実施してきたなかでも、東大生が地方創生を掲げる謎解きイベントの企画から運営まで芸人と協力して行うのは、今回が初めての試みだ。
東京大学の理事・副学長の津田敦氏は、吉本興業のプログラムについて「学生からとても人気があります」と話す。
「われわれが考える以上に、学生にとってエンターテインメントは身近なんです。今回のお笑いと謎解きクイズもそうですが、大学には音楽やコスプレなどのサークルがたくさんあって、社会に出てからそうした趣味嗜好とどういう形で付き合っていくかは人によって異なるでしょう。自分自身の1つのスキルにしたいと考える学生は結構多い気がします」
今回のイベントに携わる東大生6人は、芸人、吉本興業スタッフとともに、約3カ月をかけて地元自治体とやりとりをしながら準備を進めてきた。
その学生たちの活動を津田副学長は「市民のための楽しめるイベントを考える過程から、市政やエンターテインメント業界を知る入り口になってくれればいい。そこから彼らが何を学ぶかは、人それぞれバラエティがあっていいと思っています。大学としては、いろいろな経験をしてくださいという意図です」と語る。
そして、本プログラムを含め、東大生が地域社会の課題の解決に自治体とともに取り組むことを、積極的に推奨すると話す。
「地域社会には、高齢化、過疎化、空き家問題、産業空洞化などさまざまな課題があります。その解決は簡単ではないけれど、いま日本が直面する問題を知って、自分だったらそこでどうするかを考えることが大事。1年間のプロジェクト期間で解決できなくても、その後の人生のなかで彼らがそれを考えていくことは重要だし、関係人口という意味でもつながり続けていくことに意義があります」
東大生が参加した理由
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