なぜか「尾骨」にあらわれる、人の"心のしんどさ" 心と体は「互いに」密接に影響し合っている
東洋経済オンライン / 2024年11月29日 16時30分
たくさんの「しんどさ」を抱えて生きることを余儀なくされる現代社会。そんな「しんどさ」から逃れるためには、「心と体はつながっている」ことを理解する必要があると、からだデザイン研究所を主宰する整体指導士のいちい葉子氏は断言します。
いちいさんが提案する、心の疲れから生じる「しんどさ」のループを乗り越える方法とは、どんなものなのでしょうか。同氏の著書『しんどくなったら、心より先に体を整えよう』から、一部を抜粋・編集して紹介します。
偏った「みんな」に振り回されないで
情報が栄養過多になった社会には、とても危険な無限ループの罠が潜んでいます。
たとえばAmazonで本を買うと、自分の興味を引きそうな関連図書が表示されます。とても便利なしくみですが、書店に行ってタイトルに惹かれて手にした本が自分の人生を変えてくれた……なんていう運命の出会いは得られません。
こうして、いつも自分のために用意された情報しか見なくなると、視野が狭くなり、価値観がかなり凝り固まってしまいます。
「同世代はみんな結婚している」
「どの家庭も小学校受験をしている気がする」
「主婦はみんなあのスーパーを使っているんだな」
など、偏った"みんな"像が形づくられていく経験は、みなさんにも心当たりがあるんじゃないでしょうか。
または、
「40歳といえば、だいたいこんな生活をしているもの」
「母親といえば、こんな考えを持っている人が多い」
といったように、「〇〇らしさ」のイメージが形づくられることもあると思います。
そうやって偏った価値観が固まっていくと、だんだん「自分もみんなと同じように〇〇しなくちゃ」「自分も〇〇らしくしなきゃ」という考えに行き着きます。その姿はまるで、視野を制限されて決められたゴールに向かって爆走する馬のよう。
そのとき見えているのは、いわば偏った「理想の自分」です。あえて、もっと厳しい言葉を使えば「妄想の自分」と言ってもいいと思います。
みんなと同じように、これができなくちゃいけない。母親として、こんな人間にならなきゃいけない。そうやって、他人との比較の中でできた「理想の(妄想の)自分」を思い描くようになる。
だけど、理想の自分と現実の自分には、往々にして大きな乖離があるものです。だから、みんなその乖離を埋めるべく、提案されるがまま一生懸命に努力する。でも、次から次へと目に入る方法を試してがんばっても、「理想」との距離はなかなか縮まりません。
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