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立ち食いそば、高級そば店…どっちが儲かる? 飲食店の3大経費のバランスが利益を決める

東洋経済オンライン / 2024年12月1日 14時0分

(撮影:今井康一)

小さな飲食店がこれからの時代を生き残るためには、「帳簿上の経営」を健全にする必要があります。本稿では、『小さな飲食店のお客が減らない値上げ』より一部抜粋・再構成のうえ、お店の健康状態を知る方法を解説します。

飲食店の3大経費とは

FL比率とかFLR比率という言葉があります。Fはフード(仕入れ代:原価のこと)、Lはレイバー(労務費:社長も含めて現場で働く人たちの人件費)、Rはレント(家賃)です。

【図を見る】飲食店の接客の流れを「見える化」すると…

F(仕入れ代)とL(労務費)を足して、売上で割ったものがFL比率。それに家賃も足して売上で割ったものがFLR比率です。

お店が健康かどうかを判断する、一番わかりやすい数字はFLR比率で、これが70%以下になっていると、営業利益が10%ほどになるとされています。

営業利益が10%ということは、月商が300万円あると、30万円の利益が出るということです。この利益は、あなたの月収ではありません。あなたの労務費はすでに引いてあるので、それ以外に30万円が入ってくるということです。

また、FLR比率が70%のときに利益が10%ですから、FLR比率が80%になと、あなたの労務費は出ますが利益はゼロ、85%だと、あなたがもらえるはずの労務費が削られて、下手をすると店員より貧乏になります。この差は大きいです。

FLR比率という言葉が広まったのは十数年前からで、以前はFL比率だけで考えていました。なぜ仕入れ代(F)と労務費(L)を合計して考えるかというと、これらが飲食店の2大経費だから、というのも大きな理由です。

また、利益が出ないとき、大きく改善できる2大経費でもあります。利益が出ないとき、家賃の交渉は簡単ではありませんし、電気代をけちっても大した効果はありません。しかし、仕入れ代や労務費の比率を少しだけ下げると、大きな金額が動きます。

たとえば、全体の3%しかない電気代を10%削減しても全体への影響は0.3%ですが、全体の30%ある仕入れ代を10%下げると、全体への影響は3%あります。月商300万円のお店がこれを達成すると、9万円の利益が生まれます。

またFL比率は、合計の%も大切ですが、FとLのバランスも大切です。理解を深めていただくために、クイズです!

売値がほぼ2倍でも利益が同じになる訳

老舗の洋食店がありました。このお店は、他の飲食店に卸売もしています。厨房の奥にコンロがたくさんあって、大きな寸胴が並んでいます。中身はカレールーで、作ったルーを寸胴のまま軽トラックで配送する、というやり方です。

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