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立ち食いそば、高級そば店…どっちが儲かる? 飲食店の3大経費のバランスが利益を決める

東洋経済オンライン / 2024年12月1日 14時0分

卸売価格は、どのお店に対しても同じです。卸売先はいろんな業態で、スタンド式店舗(席はあるけど、立ち食いそば屋のようなお店)では、そのカレーを650円で売っています。また、ホテルの上階にあるレストランにも卸していますが、そこでは1400円で売っています。どちらもピーク時には満席になります。

また、この2店の売値は2倍ほど違いますが、営業利益率はほぼ同じです。なぜでしょう?

いかがでしょうか? わからない場合は、下図をヒントにしてください。

図にあるように、接客側の業務は「案内」「受注」「配膳」「会計」「片付」という順に行われます。ホテルにあるレストランだと、この流れのまま行われます。また、1400円のカレーだと、先にサラダとスープ、それからカレーを運ぶなど「配膳」が複数回になることもあります。

一方のスタンド式カレー店はどうでしょう? 「案内」はなし。「受注」は券売機、「配膳」はセルフ。「会計」は終わっている。「片付」もセルフ。そう、接客側の人件費がかからないのです。

これは、そば店でも同じです。立ち食いそばだと、原価率が45%に近いお店もあります。ただし労務費は15%ほど、合計すると60%に収まっていたりします。

逆に、お座敷で2000円を超える天ざるそばが出てくるようなお店だと、原価率は25%をやや超えるくらいですが、仲居さんや職人さんの労務費が35%ほどかかり、合計すると60%ほどだったりします。つまり、一定の客数を確保していると利益率は変わりません。

FとLの配分は適正か?

フルサービスにして接客側を手厚くすると、原価率を下げないと利益が出ず、セルフサービスにすると、労務費を下げる工夫をしないと利益が出ません。

このように、FとLのバランスは、 業態(同じ食品を売る場合の、提供方法や価格帯の違い)を表した数字です。ですから、単純にFL比率の合計で考えるのではなく、「自分のお店の業態からして、いまのFとLの配分は適正か?」と考える必要があるのです。

たとえば、やや高額帯のお店だと接客側の経費(L)はある程度の高さになるため、原価率(F)を低くしないと利益は出ません。なのに原価率が40%になっていたらどうですか? FLR比率は80%を超えて当然です。

また、同じような価格帯のカフェでも、加工品ばかり使用している場合は仕込みが減るのでLが減り、加工品なのでFが高くなります。逆に、ほぼ手作りのお店だとLは高くなりますが、Fは下がります。手作りなのに原価率が40%を超えていたらどうでしょう? さっきと同じなのです。

難波 三郎:飲食店コンサルタント

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