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日本のゆるい職場で専門性獲得できる人の生き方 「石の上にも3年」戦略はもはや通用しない?

東洋経済オンライン / 2024年12月11日 15時0分

いま所属している会社や組織の制度や取り組みを調べることで、「今の環境だからこそできる、今の環境だからこそハードルが下がっているアクション」を考えることが重要です。

自分にとってのホームとアウェイを明確に

同時多発的につくる:キャリア・キャンペーン

人は通常、たくさんの役割を同時に果たしています。例えば、本業の仕事で果たしている役割と、副業のそれでは全く異なるでしょうし、地域コミュニティではまた別、家庭ではさらに別の顔を持っている、という状況にあるはずです。

本業の会社、副業先、地域コミュニティ、趣味のグループ、家庭……と、このように「同じライフキャリア上にあって“大事にしているもの”が異なる1つひとつの時空間」のことを、「キャリア・キャンペーン」と呼びたいと思います。持続可能なキャリアをつくるためには、キャンペーンごとに方針を持つことが重要になります。

その方針は、基本的には以下のように分類できます。

・戦略的短期我慢(自分のライフキャリアにとっていい環境なので、流されるままに楽しむ)
・Voice戦略(よりよい環境にするために、リスクをとって声をあげる)
・デクレッシェンド戦略(あまり得られるものがないために、徐々にコミットを減らす)
・選択的撤退(あまり得られるものがない環境なので、リスクをとってでもコミットを減らす)

これをキャンペーンごとに実行していくと、自身にとってのホームとアウェイのフィールドが明確になります。ホームで努力の獲得量が不足しているなと思ったのであれば、アウェイでの獲得量を増やすのも有効な近道です。

本業の職場の中で別のキャンペーンを開始してもよいかもしれません(職場にある何かのコミュニティに所属する、新しい業務を希望してみる、社内副業をする、などなど)。キャンペーンを増やすことで、1万時間の獲得を早める=「近道」を見つけることにつながります。

意味づける:センシング

ライフキャリアにおいて、過去に経験したことは変えられませんが、その意味は変えられます。「過去の経験が今の自分から見てどんな意味を持つのか」は将来に向かってどんどん変えることができるものだからです。

例えば、「意に反して地方に配属された」「就活で意中の内定が全然出なかった」ことは、そのままでは、転職活動でも面接官は何の関心も示しませんし、あなたのこれからのキャリアでの行動に再現性をもたらしてくれることもありません。しかし、「そこで偶然得た経験が今に活きている」と意味づけることができれば、それはあなたのキャリアに「近道」をもたらします。

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