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SAPIX講師が脈々と受け継ぐ「教えすぎない」の妙 算数の力を上げるために必要な「思考」と「習得」

東洋経済オンライン / 2024年12月14日 14時0分

子どもの思考力を育てるために親ができることは?(写真:buritora / PIXTA)

「うちの子、とくに算数が苦手で」「私も苦手だから子どもも嫌いになってしまいそう」ーー。教育ライターとして多くの保護者から話を聞いてきた佐藤智さんは、算数への悩みがとても多いことに気づいた、と言います。

そこで佐藤さんは、難関中学の受験指導で知られる進学塾・SAPIX小学部で算数を担当する溝端宏光先生と小林暢太郎先生を取材。まず算数を「嫌いにさせないこと」が大事で、そのためには「未就学児」や「低学年」の段階で算数との出会いを楽しいものにしていく、というアプローチが重要だと気づきます。

本記事は佐藤さんの著書『10万人以上を指導した中学受験塾 SAPIXだから知っている算数のできる子が家でやっていること』から一部を抜粋し、「算数の思考力を育む接し方」についてご紹介します。

【前の記事】SAPIXが考える子どもの「算数スランプ」克服法

算数の考える力を鍛える6つのコツ

算数の力を上げるには、「思考」と「習得」の両方が欠かせません。そこで本記事では、家庭でできる思考力の鍛え方について説明します。

【画像で確認】SAPIXが考える子どもの思考力を育てる接し方6つのコツ

子どものことが心配になり、あれやこれやと手をかけてしまうのが親心でしょう。しかし、SAPIXでは、子どもの思考力を育むベースとなるのは「子どもの邪魔をしないことだ」と伝えています。

では、邪魔をしないためには、一体どうすればいいのでしょうか。
具体的には、次の画像の通り6つのコツがあります。

これらのコツのうち、本記事では「①教えすぎない」について解説します。

SAPIXでは講師の先輩から、脈々と受け継がれている言葉があります。それは、「教えすぎるな!」ということ。

「塾なのに『教えすぎるな!』ってどういうこと?」と思いますよね。

大人はよかれと思って、つい子どもに「あれもこれも」と教えようとします。

そうすると、すでにその内容を理解している子はどんどん話を聞かなくなります。また、わかっていない子は「言われた通りにやればいいや」と受け身の学習になっていきます。教えすぎることで依存心が高くなるというデメリットがあるのです。

理解している子にとっても、理解していない子にとっても教えすぎることはマイナスに作用してしまいます。

あたりまえのことですが、テストでは自分の力で問題を解けることがとても大事になります。

もっと言うと、中学受験をしてもしなくても、子どもの問題解決能力を高めていくことは、この先の社会で生きていくうえで非常に重要です。

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