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世界で唯一! 日本に「オスプレイ」全タイプ揃い踏み でもナゼ? 母国アメリカでも見られません

乗りものニュース / 2024年9月27日 6時12分

アメリカ本土で編隊飛行する日米の「オスプレイ」。右手前が陸上自衛隊機で、左奥がアメリカ海兵隊機(画像:陸上自衛隊)。

世界でもアメリカと日本しか採用していない航空機のV-22「オスプレイ」。とくに日本は、全種類が勢ぞろいする世界でも唯一の国です。それぞれのタイプはどのような特徴を持っているのでしょうか。

全部で4種類ある「オスプレイ」各タイプ

 V-22「オスプレイ」は2024年9月現在、世界で唯一の実用ティルトローター機として広く知られています。ティルトローター機とは、ヘリコプターのように垂直に離着陸できる一方で、固定翼機のように高速かつ長距離を飛行することが可能な航空機です。そのため、特に軍事分野において、従来の飛行機やヘリコプターでは達成できなかったミッションを遂行できる次世代の航空機として、その能力が注目されています。

 じつは、日本は世界的に見ても「オスプレイ大国」と言える存在です。なぜなら、オスプレイはベースモデルといえる海兵隊仕様以外に、複数の亜種が存在しますが、その全てが日本に配備されているからです。

 しかも、各タイプともそれぞれ異なる役割を持っています。では、どのような特徴があるのか、改めて見てみましょう。

海兵隊型MV-22B

「オスプレイ」の基本タイプであり、アメリカ海兵隊の主力輸送機として使用されています。兵士や物資の輸送に優れ、様々なものを長距離運ぶことができる万能機です。沖縄県の普天間基地に24機が配備されています。

空軍型CV-22B

 いわゆる特殊作戦機で、アメリカ空軍において主に侵攻作戦に使用されます。高い速度と航続距離を活かし、敵地への迅速な侵入と脱出が可能です。MV-22Bとは機体こそ共通ですが、厳しいミッションに対応するために、地形追随飛行を可能とする空対地マルチモードレーダーを搭載し、電子妨害装置や赤外線誘導妨害レーザーを装備しています。これにより自己防御力が高く、また脱出したパイロットを捜索するための生存者電波探知機を有し、多任務先進戦術端末を搭載するなど、最も高性能なオスプレイとなっています。東京都の横田基地に6機が配備されています。

海軍型CMV-22B

 このモデルはアメリカ海軍の艦上輸送機として設計され、航空母艦への貨物空輸を行うための機体です。胴体側面部のスポンソン(張り出し)が大型化され、燃料タンクを増設していることから、「オスプレイ」各型のなかでは最も航続距離の長いモデルでもあります。ほかにも大きな特徴として、F-35戦闘機のエンジンを丸ごと輸送する能力を持っています。これにより、空母航空団の運用効率が大幅に向上することが期待されます。C-2「グレイハウンド」艦上輸送機の後継機として、間もなく山口県の岩国基地へ配備が始まる見込みです。

陸自仕様のV-22はもうすぐ移動

 これらアメリカ海兵隊、空軍、海軍型の「オスプレイ」に加え、陸上自衛隊仕様が存在します。日本はアメリカ以外で唯一の採用国なため、陸上自衛隊向けは唯一の輸出型となります。

 機体は海兵隊型に近いMV-22Bであり、2024年6月に全17機の引き渡しが完了しました。2024年9月現在、全機が千葉県の木更津駐屯地に暫定配備されていますが、佐賀空港に併設される形で建設が急がれる佐賀駐屯地(佐賀県)へ、全機が移転する予定となっています。

「オスプレイ」は、高性能の代償として非常に高価であることが欠点です。そのため、世界市場での販売は予想を遥かに下回る結果に終わりました。しかし、地政学的な特性から日本にはアメリカ海兵隊の航空基地があり、さらには同海軍の空母も常駐しているため、全てのタイプが揃っているという、世界的に見ても珍しい国であると言えるでしょう。

 ちなみに「オスプレイ」を楽しむには、体験搭乗へ申し込んだり、基地祭で直接触れたり、展示飛行を見学するのが良いでしょう。特に2024年10月5日(土)には木更津駐屯地で「第50回 木更津航空祭」が開催される予定です。

 前述したように、佐賀駐屯地が完成すると移転してしまうため、同航空祭は首都圏で陸自オスプレイを楽しめる残り少ないチャンスとなるかもしれません。

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