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車載電池向け電解銅箔メーカー、日本電解(株)(茨城)が民事再生、今年初めての上場企業倒産

東京商工リサーチ / 2024年11月27日 20時40分

日本電解(株)の本社

 日本電解(株)(筑西市)は11月27日、東京地裁に民事再生法の適用を申請した。
 申請代理人は築留康夫弁護士(西村あさひ法律事務所・外国法共同事業、千代田区大手町1-1-2)ほか5名。
 監督委員には小畑英一弁護士(TF法律事務所、千代田区平河町2-7-5)が選任された。
 負債総額は147億6106万円。
 
 1958(昭和33)年に大手メーカー3社の共同出資により設立された旧・日本電解(株)が前身。車載電池向け電解銅箔製造を行い、2021年6月に東証マザーズ(現・東証グロース)に上場した。電気自動車市場の拡大や2021年3月の米国子会社取得に伴い、2022年3月期には連結売上高約206億円、営業利益約10億円をあげていた。

 しかし、世界的な半導体不足や米国インフレ抑止法施行による国内バッテリーの輸出減少、スマートフォン需要の減退、新型コロナウイルスの影響等により、米国子会社の赤字が常態化。経営環境の悪化から2023年3月期の連結売上高は約170億円に減少し、約18億円の経常赤字を計上した。
 2024年3月期も輸出セル用銅箔の需要低迷等で連結売上高は約166億円、連結経常赤字は約13億円となり、2期連続で経常赤字に陥った。さらに今期も中間決算で連結売上高は約88億円を計上したものの、販売数量の減少や銅価格急騰による損益悪化などにより連結純損失約50億円を計上していた。
 この間、2024年1月に台湾の銅箔メーカーと資本業務提携契約を締結し、新株予約権発行による資金調達を目指していた。また、2024年6月、現筆頭株主と資本業務提携契約を締結し、同社から約10億円の出資を受けていた。
 その後もスポンサー探索を進めたが、具体的な支援先はみつからなかった。こうしたなか、11月27日に米国子会社の解散及び清算を決議。解散によって貸付金の大部分が回収困難となることが見込まれ、多額の特別損失の追加計上から簿価債務超過に陥ることが予定され、自力再建を断念し今回の措置となった。

 ※日本電解(株)(TSR企業コード:018404014、法人番号:3010001176546、筑西市下江連1226、設立2016(平成28)年6月、資本金23億5846万9602円)

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