初の“遊牧民”出身力士!怪物「逸ノ城」強さの秘密はモンゴルにあり

Walkerplus / 2014年11月8日 10時0分

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新入幕の会見時。新入幕としては異例の東前頭10枚目まで一気に番付を上げた

人気が回復基調にある大相撲。先の秋場所の主役は、千代の富士と並ぶ史上2位の31回目の優勝を果たした横綱白鵬でもなければ、昨今のブームの立役者である遠藤でもなく、まだマゲも結えない入門から5場所目の逸ノ城だった。192cm、199kgの巨漢でありながら俊敏な動きで白星を積み重ね、1横綱2大関を撃破。白鵬と最後まで賜盃を争い、あわや100年ぶりの新入幕優勝も現実味を帯びるほどだった。11月9日(日)に初日を迎える九州場所では一気に新関脇に昇進。入幕2場所目での関脇は史上最速のスピード出世である。そんな逸ノ城の強さの秘密に迫る。

モンゴル力士の多くは首都・ウランバートル出身の“都会っ子”だが、逸ノ城はそこから西へ約400km離れた、車で8時間ほどのアルハンガイ県出身。少年時代はゲルで生活し、家では300頭以上の羊を飼っていた。初めてウランバートルに行ったのは13歳の時。「デパートを見た時はびっくりした」とカルチャーショックを受けたという

…そう、“100年に1人の逸材”は遊牧民だったのである。

モンゴルで約50人が参加した日本の相撲のセレクションがウランバートルで行われ、これに優勝したアルタンホヤグ・イチンノロブ(逸ノ城の本名)少年は、鳥取城北高校へ相撲留学するために2010年3月に来日。当初は立ち合いでうまく相手に当たることができず、女子選手にも勝てなかった。石浦外喜義監督からは「モンゴルへ帰れ」と何度も怒鳴られ、稽古場で涙を流すことも。しかし、2年生になると頭角を現し始め、同校のインターハイ全国制覇に大きく貢献するまでに成長した。

鳥取城北高校卒業後は同校にコーチとして残る傍ら、社会人選手としても活躍。実業団横綱に輝いたことで幕下15枚目格付け出しの資格を得て、2014年初場所で初土俵を踏むと期待どおりの出世を遂げ、所要4場所で入幕。角界関係者は「ケガさえなければ、末は横綱間違いなし」と口を揃える。“幕内デビュー場所”は度肝を抜く活躍を見せた“怪物”だが、「僕も普通の人間ですよ」と人懐っこい笑顔を見せる。いかついルックスとこのギャップが、特に女性ファンにはたまらないようだ。日本に来て刺し身が好物になった一方、苦手なのはカレー。「あの匂いと味は今もダメ」。映画好きでもあるが「怖いのは見ない。夜ひとりだと思い出すから」と土俵を降りたら意外と小心者かも?

武双山、雅山、把瑠都など…過去にも“怪物”と呼ばれた逸材はいたが、逸ノ城は彼らとは明らかに一線を画す。申し分ない体格と素質、“規格外”のパワーを誇りながら、決して攻め急ぐことはない。十分な体勢になるまで自分からは動かず、チャンスが訪れると一気に勝負に出る冷静沈着な相撲ぶりは、とても21歳の新鋭とは思えないほどだ。

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