生姜の食べ過ぎや、長風呂が風邪リスクを高める!?
ウェザーニュース / 2018年12月8日 12時0分
そろそろ冬も深まり、お気に入りの寒さ対策をしている人も多いのではないでしょうか。しかし「健康のため」と思ってやっていることが、実は身体に悪いことだったりします。源保堂鍼灸院の瀬戸郁保先生がその理由と正しい対策を教えてくれました。
冬は身体を冷やさないのが鉄則
「足を冷やしてはいけない」とは誰もが聞いたことがある冬の養生訓。これにはちゃんと理由があります。
「冬は寒さに耐えられるよう外の守りを固めながら、エネルギーをじっくり溜めていく時季です。そのため体の根幹である足は特に冷やすわけにはいきません。足を冷やすと風邪をひきやすくなったり、頻尿になったりしてしまうのです」(瀬戸先生)
しかし、勘違いされがちな冬の寒さ対策が少なくありません。
「生姜・辛いもの」は摂りすぎNG
「体を温めるもの」として冬によく摂る生姜や辛いもの。でも、摂りすぎはよくないと言います。
「生姜は体を温める作用を持ちますが、同時に胃を傷めることもあります。例えばおへその上にある中脘(ちゅうかん)という胃と繋がるツボとその周辺が硬くなっている人は『毎日生姜を食べているんですけど』と話すことが多いのです。生姜はあくまで薬味程度にしておくのがベター。1日1片以上食べるのは明らかに過剰です。
辛いものの過剰摂取も避けたいところです。特に風邪のときに、汗をかこうと辛い鍋などを食べる人がいますが、喉・気管の粘膜も乾燥してしまうため、咳が止まらなくなることがあるのでよくありません」(瀬戸先生)
長風呂のやり過ぎは風邪を招く?
“汗を出してデトックス”というイメージから、寒いときは身体を温めようと長風呂に入る人が多いですが、それも間違いだと先生は言います。
「そもそも汗で出るのはほとんど水分。汗でデトックスができないのは科学的にも証明されています。激しい運動、サウナ、ホットヨガ、岩盤浴などのやり過ぎは、広がった汗腺に冷気が入り込んで風邪をひくリスクを高めます。
冬の運動はうっすら汗をかく程度で十分でしょう。長風呂や半身浴も汗をかきすぎるので要注意。皮脂が抜けすぎてふやける上、肌が乾燥して風邪を招き、逆に身体が冷えることがあります。身体の洗いすぎも皮膚の乾燥を招くので冬は避けてください」(瀬戸先生)
最近はスムージーやヨーグルトなどが朝食の定番になっている女性が多いですが、特に胃が敏感になる朝の冷たいものは避けましょう。「冬はお腹を冷やすな」とも言われるように、基本的に胃は冷えるとダメージを受けてしまうのです。
これから本格的な冬がやってきますが、冷え対策の方法を間違えると思わぬ副作用を招くこともあります。正しい知識で冷えを予防して、冬を乗り切りましょう。
参考資料など
取材先:源保堂鍼灸院(http://genpoudou.com/)、瀬戸郁保氏、瀬戸佳子氏
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