平成史 災害⑧ 平成28年 熊本地震
ウェザーニュース / 2019年3月9日 9時30分
平成28年4月14日、桜も散って春本番を迎えつつあった九州熊本で夜の21時26分にM6.5の地震が発生。益城町で震度7、熊本市など広いエリアで震度6弱という大きな揺れに見舞われました。その後も余震が非常に多く、約40分後の22時07分にM5.8、さらに2時間後にはM6.4と強い揺れが続きました。
28時間後に益城町で再び震度7
そして最初の大きな地震から28時間ほどが経過した16日の深夜1時25分、一連で最大のM7.3の地震が発生。益城町で再び震度7を観測した他、熊本市や菊池市などで震度6強と14日を上回る激しい揺れに襲われたのです。最初の地震で倒壊を免れた住宅が再度の激しい揺れで倒壊し、犠牲になった方もいました。わずか3日間に2度の震度7に見舞われるという前例のない事態で、益城町にある1万余りの住宅のうち、3割近い3026棟が全壊。98.6%のほぼ全ての住宅が何らかの被害を受けました。震度6強の揺れとなった熊本市では象徴でもある熊本城が大きなダメージを受け、今も復旧作業が続けられています。
いわゆる「本震」と呼ばれるM7.3の地震の後は、阿蘇や大分方面へ震源を拡大するような形で地震活動が続き、16日3時55分には阿蘇地方を震源とするM5.8、最大震度6強の地震が発生。影響エリアが拡大していきました。
熊本地震は日奈久断層帯と布田川断層帯の活動により発生したと考えられ、その延長線上には中央構造線があることから、九州のみならず、四国への拡大という懸念もされましたが、そのような事態にはならずに終息しました。
熊本地震以降、気象庁は大きな地震の発生後に、さらに強い地震が発生することを懸念し、全体の活動が終息するまで「余震」という表現を控えるようになっています。地震には様々なパターンがあるため、その時々に合わせた対応が必要になるのです。
2019年4月30日で「平成」が終わります。ウェザーニュースでは、平成30年間に起こった気象や災害などを、過去の資料などをもとに連日振り返っていきます。
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