7割の人が知らない!? 「余震」という言葉が消えたワケ

ウェザーニュース / 2019年4月15日 6時45分

ウェザーニュース

大地震の後に気象庁が発表する今後の見通しから「余震」という言葉が消えたことに気づいていますか?

その背景には、これまでの地震の“常識”を引っくり返した熊本地震の経験がありました。

「余震」が消えたことを66%が知らなかった

ウェザーニュースは、「気象庁が『余震』という言葉を使わなくなったことを知っていますか?」というアンケート調査を行いました(3月22〜23日実施、8,596人回答)。結果は「以前から知っていた」が34%、「知らなかった」が66%でした。およそ3人に2人が余震という言葉が消えたことを知らなかったのです。

たて続けに2つの大地震

2016年4月14日21時26分、熊本県熊本地方を震源とする最大震度7(M6.5)の地震が発生しました。気象庁は「揺れの強かった地域では、家屋の倒壊や土砂災害などの危険性が高まっているおそれがありますので、今後の余震活動や降雨の状況に十分注意してください」と発表しました。

ところが、約28時間後の4月16日1時25分、ほぼ同じ震源の最大震度7の地震(M7.3)が発生しました。続けて発生した2つの大地震は壊滅的な被害をもたらしましたが、「余震」のほうが地震規模は大きかったのです。

2016年4月14日21時26分−21日6時までに発生した地震の場所と規模

地震本部が出した見解

最初の大地震より大きな「余震」が発生するという異例の事態を受けて、熊本地震から約4ヵ月後の2016年8月19日に政府の地震調査研究推進本部(地震本部)は次のような見解を公表しました。

1998年以来、気象庁は震度5弱以上の大地震の後に余震の発生確率を発表していましたが、熊本地震ではこの手法が適用できない事態が発生しました。

今後は余震という言い方はせず、最初の大地震と「同程度の地震」への注意を呼びかけることを基本とするというのです。「余震」というと、本震より小規模な地震と受け取られかねないため、「同程度の地震」としたのです。

大地震後の発表文が変わった

地震本部が見解を公表してから約2ヵ月後の10月21日に発生した鳥取県中部地震(最大震度6弱)で気象庁は次のように発表しました。

「揺れの強かった地域では、地震発生から1週間程度、最大震度6弱程度の地震に注意してください。特に地震発生から2~3日程度は、規模の大きな地震が発生することが多くあります」

このスタイルの発表文は、2018年の大阪北部地震(最大震度6弱)や北海道胆振(いぶり)東部地震(最大震度7)、記憶に新しいところでは2019年1月3日の熊本地方の地震(最大震度6弱)でも踏襲されています。

3年前の熊本地震は、それまでの「余震」の常識をくつがえし、気象庁の発表文のスタイルを変えてしまいました。私たちも大地震後に同程度の強い地震が発生する可能性を頭に入れておきたいものです。

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