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春の不安定な気分を解消するための「香り」と「運動」

ウェザーニュース / 2019年4月11日 6時15分

ウェザーニュース

東洋医学では、「春」という季節の性質上、なんとなくイライラしたり、ウツウツしたりと、気分が不安定になりがちなんだとか。

ただし、食事や生活の一工夫でゆるめていくことも可能とのことです。

今回はその方法を源保堂鍼灸院の瀬戸郁保先生、瀬戸佳子先生に教えてもらいました。

春は五臓の「肝」が活発になる季節

東洋医学の基本的な考え方のひとつに「五行説」があります。これは、この世の森羅万象を5つに分類するというもの。

「木・火・土・金・水」の5つを基本要素に、臓器や感情、季節、気候、色、味など、あらゆるものを5つに分類し、属性が同じものは互いに強く影響し合っていると考えます。

この分類で、「春」は「木」に属すのですが、同じ属性のものを見ると、春がイライラ・ウツウツの季節というのも納得です。

たとえば、春の影響を強く受ける臓器(五臓)は、「肝」です。肝は体内エネルギーを増幅させる作用を持っており、春になるとその活動が活発になり、体のエネルギーも増大します。

さらに、「肝」に属する感情(五志)は、なんと「怒」。そのため、「肝」が不調になると、怒りの感情が出やすくなります。

また、気候(五気)でいえば、春は「風」の影響を強く受ける季節です。風は常に移動し、その変化も激しいといった性質があります。つまり、不安定でコントロールがしづらい。これは「春」という季節の特徴でもあり、当然、私たちの体や心にも影響します。それゆえ、気分の浮き沈みも起きやすくなるのです。

香りのいい食材で、「気」の巡りをよくする

では、春の「季節病」ともいえるこうしたイライラ・ウツウツをゆるめるにはどうすればいいのでしょうか。ポイントは、五臓の「肝」をいたわる食事や生活を心がけること。

まず食事です。たとえば、イライラが止まらない時は、肝のエネルギー(気)が活発になりすぎて、パンパンになっていることが考えられます。そんな時は肝の「気」をゆるめてあげること。その効果が期待できる食材には、クレソンやセリ、セロリ、トマト、そして穴子などがあります。

パンパンになって1ヵ所に滞りがちな「気」の巡りをよくする食材も、イライラ解消に効果が期待できます。

それは「香りのいい食材」です。たとえば、シソや三つ葉、パクチーなどの香味野菜やバジル、ミントなどのハーブ、ジャスミンやバラなどのハーブティー、柑橘類のフルーツ、魚ではカジキマグロなどです。ハーブ等は、食事以外にアロマオイルを活用してもいいでしょう。

一方で、ウツウツしがちという時には、肝の「血」を補い、エネルギーがほどよく満ちている状態にしてあげます。

そのための食材としては、レバーや赤みの肉&魚、アサリなどの貝類、イカ、卵、アーモンド、ナツメなどです。こうした食材を毎日の食事で積極的に摂っていきましょう。

日付の変わる前に寝て、肝をしっかり休息させる

次に生活での一工夫です。それは、大きく2つ。「軽い運動」と「日付が変わる前の就寝」です。

軽い運動は、歩く程度でOKです。わざわざ何かスポーツをする必要はありません。たとえば、イライラしたりウツウツしたりした時は、今の作業をちょっと中断して、10~15分、外を歩いてみる、など。

軽く体を動かすことで、肝で増幅したエネルギーを上手に体外へ放出でき、気持ちもスッキリするはずです。
 
その他、お風呂上がりに軽くストレッチするのもいいでしょう。肝は筋(筋肉など)の活動にも関わっているので、筋肉をゆるめてあげることで、肝の緊張を解き、伸び伸びした状態にしてあげられます。

そして、もう一つの「日付が変わる前の就寝」。東洋医学では1日のうち、午前1時~3時が「肝」の機能回復タイムとされています。この時間帯にきちんと睡眠をとることで、肝の元気を維持できるのです。

春は新芽の季節。そのためのエネルギーを生み出すために、この時期は肝の増幅作用も活発になるのですが、それゆえにイライラやウツウツも起こりがち。

頑張っている肝をいたわることで、その増幅作用をうまくコントロールし、新芽から若葉の季節に向けて体を活動モードにシフトしていきましょう。

参考資料など

取材先:源保堂鍼灸院(http://genpoudou.com/)、瀬戸郁保氏、瀬戸佳子氏

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