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【七十二候】腐草為蛍 ホタルにまつわる花の話

ウェザーニュース / 2019年6月11日 6時10分

ウェザーニュース

11日からは、七十二候「腐草為蛍(くされたるくさほたるとなる)」。字面はちょっとギョッとしますが、要は「蛍が飛び始める時期」ということを伝えています。

そこで今回は、ホタルを含む名前を持つ「ホタルブクロ」という花についてご紹介します。

ホタルブクロはどんな花?

ホタルブクロはキキョウ科の多年草。横からではなく、下からのぞきこむようにホタルブクロを見ると、キキョウの面影があります。

ホタルブクロという名の由来は、子どもたちが花の中に蛍を入れて遊んでいたことや、提灯(ちょうちん)に似ていることから提灯の古語「火垂る」にちなんだと言われています。

花言葉は「忠実・正義」。釣鐘形の花が教会の鐘をイメージさせることから、この花言葉がついたとのこと。

また、茶道では茶花(ちゃばな)といって茶席に季節の花を飾るのですが、ホタルブクロは6月の茶花の一つです。

雄から雌に変身!?

植物は、優秀な子孫を残すべく、自家受粉を避ける様々な工夫を行っています。
ホタルブクロはどんな工夫をしているかと言うと・・・なんと途中で性別が変わります。

最初は雄として花粉を放出。虫などに自分の花粉を運んでもらうことに徹します。この時、雄しべから出たたくさんの花粉が雌しべにつかないよう、雌しべの柱頭は固く閉じられています。

役目が終わった雄しべはやがて枯れ、次は雌しべが成熟します。ここから雌として受粉体勢に入ります。
閉じていた柱頭は、3つほどに分かれ、虫たちの体についた花粉を受け取り、種子を作るのです。

西洋のホタルブクロ

ホタルブクロを含めたホタルブクロ属の植物は、日本だけでなく様々な国に分布しています。そのため、「カンパニュラ」という世界共通の名称がついています。

「ホタルブクロって名前は知ってるけど、カンパニュラはあんまり馴染みがないな…」

それもそのはず。日本の場合、カンパニュラと呼ぶのは主に西洋産のホタルブクロ属。私たちがよく見るホタルブクロは、日本や中国、朝鮮半島などアジア産のものなので、カンパニュラではなく和名の「ホタルブクロ」で呼ばれることが多いのです。

食卓にも彩りを

ホタルブクロは、実は食べることができるって知っていましたか。
若葉や若芽はアクを抜いて天ぷらにしたり、ゆでて和え物やおひたしにされることも。花も酢の物にしたり、サラダに入れると彩りが良く、食卓にも華やかさが増します。

今年は目で楽しむだけでなく、食べて楽しむのも良いかもしれませんね。

二十四節気と七十二候について

1年を春夏秋冬の4つの季節に分け、それぞれをさらに6つに分けた24の期間を「二十四節気」といいます。

そしてこれをさらに初候、次候、末候の5日ずつにわけて、気象の動きや動植物の変化を知らせるのが七十二候です。

二十四節気と七十二候は、その日だけではなく、次の節気または次の候までの期間も指しています。

次回は、「芒種の末候、梅子黄(うめのみきばむ)」についてご紹介します。

参考資料など

【参照・参考元】
NHK出版 みんなの趣味の園芸「ホタルブクロの基本情報」https://www.shuminoengei.jp/m-pc/a-page_p_detail/target_plant_code-29
福原のページ「雌雄異熟(1)」https://ww1.fukuoka-edu.ac.jp/~fukuhara/keitai/shiyuuijuku1.html
松田修(1991)『カラー歳時記草花』保育社
写真:ウェザーリポート by yuppyさん、うさぎちゃん

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