「夜間熱中症」も湿度上昇のせい? 熱中症のリスクは「湿度」がポイント

ウェザーニュース / 2019年8月29日 6時15分

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熱中症に最大限の対策をとっている人が多いと思いますが、熱中症のリスクを高めるのは「気温」より「湿度」ということを知っていますか?

東京の気温・湿度と救急搬送人数

東京都は例年、6〜9月の熱中症による救急搬送人数の日ごとの記録をとっています。気温が上昇した日は搬送される人も増えますが、搬送人数が増減する要因は気温だけではありません。

たとえば、昨年(2018年)の7月27日は最高気温28.5℃で56人が搬送されましたが、8月17日は最高気温30.0℃で15人が搬送されました。最高気温が1.5℃高かった8月17日のほうが搬送人員は約4分の1と少なかったのです。

ポイントは湿度でした。7月27日は平均湿度69%、最小湿度57%で、夏の東京ならではの多湿状態でした。ところが、8月17日は平均湿度44%、最小湿度29%で、湿度が低かったのです。この時期の東京にしては珍しく北西の風、つまり内陸から風が吹いていたため空気が乾いていたのです。湿度が高いと熱中症になるリスクが高く、湿度が低いと熱中症になるリスクは低くなるのです。

「暑さ指数」も湿度が7割

最近、熱中症のリスクを判断するために「暑さ指数(WBGT)」が使われています。湿球黒球温度とも呼ばれ、湿球温度(湿度)・黒球温度(輻射熱)、乾球温度(気温)の3つの数値を使って計算します(屋外の場合)。

3つの数値のウエイトは、湿球温度:黒球温度:乾球温度を7:2:1の割合で計算します。つまり湿度が7割のウエイトを占めています。気温や輻射熱より、湿度が重視されているのです。

暑さ指数を元に「運動指針」などが出されます。たとえば気温が同じ30℃でも、湿度が40%なら「注意」(積極的に水分補給)、50%なら「警戒」(積極的に休憩)、65%なら「厳重警戒」(激しい運動中止)、85%なら「危険」(運動は原則中止)という具合です。

「夜間熱中症」も湿度上昇のせい?

熱中症のリスクがある場合は夜間もエアコンを使いましょう

熱中症は気温が高い昼間だけでなく、気温が下がる夜にもなります。いわゆる「夜間熱中症」です。夜は気温が下がりますが、水蒸気量が同じなら湿度が上昇します。たとえば、室温32℃で湿度60%なら、室温28℃になると湿度74%に上昇します。寝室が28℃で湿度74%というのは、暑さ指数でいうと警戒レベルです。

しかも、人は眠っている間にも呼吸しているので呼気と一緒に水蒸気を出します。寝室の湿度はさらに上昇して熱中症になるリスクが高まるというわけです。夜間熱中症を予防するにはエアコンを使うことです。冷房が嫌いというなら、エアコンを「ドライ」に設定して湿度を下げるだけでも熱中症の予防につながります。

気温が高ければ熱中症のリスクが高くなることは確かですが、それほど気温が高くなくても湿度が高い日は要注意です。湿度に関する予報は出ませんが、「今日はムシムシする」とか「ひと雨きそうな空模様」という日は湿度が高いので熱中症に厳重注意してください。

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