秋の気管支ぜん息 発作の原因はハウスダストのことも

ウェザーニュース / 2019年9月17日 5時0分

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気管支ぜん息は、気管支が何らかの刺激で収縮し、空気が通る気道が細くなって呼吸困難を起こす病気です。ぜん息の発作は夏や冬は少なく、秋や春といった季節の変わり目に多いことが知られていますが、ストレスを軽減するだけで改善できるといいます。

大人になって発症する人が増えている

「気管支ぜん息の患者は国内に約300万人いると推定されています。小児ぜん息の大半は思春期頃までに治る一方、大人になって新たに発症する例が増えています」という横浜相原病院(神奈川県横浜市)の吉田勝明院長は、Mさん(30代・女性)の症例を紹介します。

寝苦しかった夏が終わり、よく眠れるようになった9月末の明け方、Mさんはセキが出て目が覚めました。セキは止まらず、息苦しくてベッドの上に座ると、息をするたびにヒューヒュー、ゼーゼーと鳴り、「このまま死んでしまうかも」とさえ思いました。

救急外来で酸素吸入や点滴を受けて発作は軽快しました。気管支ぜん息と診断され薬を処方されましたが、その後も発作を起こすようになります。医師から生活の様子を尋ねられたMさんは、中学生の息子が反抗期で手を焼き、夫は家のことに無関心、最近はイライラや不眠が続いて、家事も満足にできない状態状態だというのです。

ハウスダストがアレルゲンに

採血でアレルギー検査をすると、ハウスダスト、犬・猫の毛にアレルギーを起こすことがわかりました。どうやら家族関係でストレスを抱えた結果、自律神経やホルモンのバランスが崩れて気管支が敏感になり、ハウスダストでぜん息発作を起こしたようです。

「ハウスダストは家のチリやホコリだけでなく、梅雨から夏の間に家ダニが繁殖し、涼しくなるとその死骸や排泄物もハウスダストになります。また、台風や寒冷前線が近づくと決まって発作を起こす患者さんもいます。

ぜん息患者は気温の変化などに敏感に反応するのです。秋はブタクサ、ヨモギ、カナムグラなどの雑草の花粉が『秋の花粉症』を引き起こしますが、気管支がアレルギー反応を起こすとぜん息発作となります。さまざまなアレルゲンが気管支ぜん息を起こしますが、データを見ると男女共20〜30代で増加傾向を示しています」(吉田院長)

心理的ストレスはアレルゲンではありませんが、ぜん息発作を誘発します。花粉が原因でぜん息発作を起こす患者さんのお見舞いに、造花なら大丈夫だろうと持って行ったら、その造花を見たとたんに発作を起こしたという話があります。造花を本物の花と思ったことが心理的ストレスになったわけです。

「大人になって気管支ぜん息を発症したMさんの話にもどると、薬物療法に加えて、こまめな掃除と空気清浄機でハウスダストを取り除き、ストレスもぜん息を誘引することを夫と子どもに伝えて家族関係の改善を図りました。その結果、発作もなくなり、前向きな毎日を送っているそうです」(吉田院長)

秋に気管支ぜん息を発症する人は、ダニの糞や死骸を含んだハウスダストがアレルゲンになっていることが少なくありません。こまめな掃除に加えて、ストレスを減らして発作の軽減に努めてください。

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