新潟県中越地震から15年 今も生きる地震の教訓
ウェザーニュース / 2019年10月23日 10時30分
2004年に発生した新潟県中越地震から23日で丸15年を迎えます。この地震では新潟県を中心に大きな被害が発生しましたが、被害から得られた教訓は今も生きています。
新潟県中越地震とは
土砂に埋まった車から助け出された親子
新潟県中越地震は2004年10月23日17時56分に発生しました。震源は当時の川口町(現長岡市)で震源の深さは13km、地震の規模はM6.8でした。
川口町では1995年の阪神淡路大震災以来となる震度7を観測し、全体で死者68人、負傷者4805人、家屋全半壊約17000棟にのぼる甚大な被害となりました。
建物倒壊のほか土砂災害が多かったのが特徴で、長岡市妙見町の土砂崩れ現場から2歳の男の子が92時間後に救助された映像を覚えている方もいらっしゃるでしょう。
災害関連死が多くを占めた
余震で不安な表情の被災者
この地震の大きな特徴は、68人の死者のうち52人が「災害関連死」だった点です。
建物の倒壊など地震の揺れによる直接の死者は16人で、それ以外は避難中のストレスで亡くなったり、復旧活動中に吸い込んだちりが原因で肺炎にかかったりするなど、地震後の環境が影響したものでした。また、車中避難による「エコノミークラス症候群」が注目されたのもこの地震の特徴です。避難所で過ごすストレスを避けるために車の中で寝泊まりをした結果、肺塞栓症を引き起こし亡くなる方が出ました。
現在では、避難所でのストレスを減らすための心のケアが重視され、エコノミークラス症候群を防ぐための啓蒙が行われるなど、少しでも関連死を減らす対策がとられています。
新幹線の脱線 その後の対策
脱線した「とき325号」
新潟県中越地震は、営業運転中の新幹線が初めて脱線した地震でもあります。時速200kmで走行中の脱線でしたが、この時は幸い上下線の間にある排雪溝に支えられる形で横転を避けられるなどして死傷者は出ませんでした。
一方、地震国である日本では、いつどこで大きな地震が発生するかわからず、再び新幹線車両が脱線する可能性もあります。そこで現在では線路の間に脱線防止ガードを設置する工事が行われている路線もあります(東海道新幹線では今度末までに総延長1072kmのうち596km、残る476kmを2028年度までに完了想定)。
新潟県中越地震から15年。同じ被害を繰り返さないための対応が今も行われています。
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