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「蜜入り」りんごができるワケ

ウェザーニュース / 2019年11月7日 10時0分

ウェザーニュース

りんごが美味しい季節になりました。

「蜜入りのりんごはとりわけ美味しい」というイメージがありますが、どうして“蜜入り”りんごになるのでしょうか?

長野県松川村で蜜入りりんごの代表格とも言える「サンふじ」の栽培に携わる久保田果樹園の久保田博さんに聞きました。

蜜をつくるのは果実内のソルビトール

「太陽をいっぱい浴びたりんごは、葉の光合成によってつくられたデンプンをソルビトール(糖質アルコール)に変えて果実内に運び、りんご本来の甘味である果糖やしょ糖に変換されます。

りんごが完熟すると、糖分が果肉の細胞からあふれ出します。それが“蜜”と呼ばれるものの正体です。つまり、蜜が入っているりんごは、完熟している証ということになります」

蜜の部分だけ食べても甘味はあまり感じませんが、「蜜入りりんごは果実全体に糖分が満たされている状態なので、美味しく味わえるのです」と久保田さんは言います。

日照時間と昼夜の温度差で味が決まる

サンふじの収穫期はりんごの花の満開後185~200日。収穫の目安は糖度15%、酸度0.4%程度で、蜜の入っているものが望ましいとされています。

また美味しいりんごを育てるための自然環境は、1日の日照時間が長く昼夜の温度差が大きいこと、そして比較的標高が高く、水はけのよい土地と言われています。

こうした条件を備えた青森県、長野県、山形県などでりんご生産が盛んなのもうなずけます。

りんごの収穫量ナンバーワンは「ふじ」

農林水産省が調査した「りんごの品種別収穫量」によると、数あるりんご品種の中でも約5割を「ふじ」が占め、他を大きく引き離して第1位と最も多く作られています。

「ふじ」と「サンふじ」はどう違う?

ふじの人気の秘密は甘みとシャキシャキした歯ざわり、そして蜜が入りやすいことですが、厳密に言うと「ふじ」と「サンふじ」があります。

JA全農長野果実課は「栽培過程でふじに袋掛けをして育てているかどうかで呼び方が違います。袋を掛けて育てたふじは『ふじ』、袋を掛けずに太陽をいっぱい浴びて育てたふじが『サンふじ』です」と説明します。ちなみにこの「サンふじ」という名称は、JA全農長野が商標登録しています。

見た目と保存性の面では有袋栽培の「ふじ」のほう勝っていますが、無袋栽培(むたいさいばい)の「サンふじ」は太陽の光を浴びて育つため、蜜が入る確率が高く、いちだんと濃厚な味が楽しめるのです。長野県では「サンふじ」が主流で、11月中旬から月末にかけて収穫のピークを迎えます。

まさに今が旬の“蜜入り”りんごを食べてみませんか。

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