阪神・淡路大震災から25年 「南海トラフ巨大地震」との関連は
ウェザーニュース / 2020年1月17日 5時0分
阪神・淡路大震災(M7.3)から今日で25年。それまで西日本では大きな地震が少ないと思われていましたが、阪神・淡路大震災以降、鳥取県西部地震(M7.3)、芸予地震(M6.8)、大阪府北部地震(M6.1)など大地震が頻発するようになりました。
元東京大学地震研究所准教授の都司嘉宣(つじ・よしのぶ)さんは、これらの地震は今後30年以内に起こるとされる「南海トラフ巨大地震の前兆」と指摘しています。
約100年おきに発生する南海トラフ地震
「14世紀以降に発生した6回の南海トラフ地震をみると、ほぼ100年おきに発生しています。海側のフィリピン海プレートが陸側のユーラシアプレートに1年間で5cmずつ沈み込んでいるため、その限界を超えるとユーラシアプレートが跳ね上がって、地震と津波が発生するのです。
過去の南海トラフ地震では、その後の数十年間は西日本で大きな内陸地震が起こっていません。内陸のひずみが解消されたからです。しかし、南海トラフ地震が発生する40年ほど前から内陸地震が起こっているのです」(都司さん)
南海トラフ地震はプレート間の海溝型地震、内陸地震はプレート内の断層型地震と性質は違いますが、プレート同士が押し合ってひずみが蓄積すればプレート内の断層型地震が起こり、そして最後にプレート間で南海トラフ地震が発生するというのです。
南海トラフ地震は「子」が40年先行する
「私は14世紀以降の西日本の地震を調べましたが、『親』の南海トラフ地震の前に『子』の中小地震が約40年先行して起こっています。次に想定される南海トラフ地震にとって、1995年の阪神・淡路大震災は先行して起こる『子』のトップランナーとみられます」(都司さん)
都司さんは各地の古文書に残された記録から、過去の地震の発生日時や震度などを推定する歴史地震学の第一人者。伊勢神宮に残された「外宮子良館日記(げくうこらかんにっき=神官たちが書き残してきた日記)」の約200年分を解読するために2ヵ月にわたって格闘したこともあるそうです。
「これまで南海トラフ地震は約100年間隔で発生していました。前回が1944年〜46年の東南海地震・南海地震でしたが、歴代の南海トラフ地震に比べて規模が小さかったため間隔が100年より短くなり、阪神・淡路大震災から40年後の2035年前後と想定されます」(都司さん)
阪神・淡路大震災は戦後最大の震災(当時)でしたが、それは南海トラフ巨大地震の前兆ではないかというのです。
日本列島周辺の巨大地震は、いつ起こるかわからない、いつ起こってもおかしくない現象です。もしもの時の行動をを訓練するなど、災害への備えを見直すきっかけにしてみてください。
この記事に関連するニュース
-
南海トラフ沿いに「ひび割れ」 海底地すべりの痕? 到達が早く 発生場所が予測できていない津波
CBCテレビ / 2024年3月25日 13時6分
-
週刊地震情報 2024.3.17 福島県沖の地震で震度5弱 最近10年で9回目
ウェザーニュース / 2024年3月17日 10時30分
-
熊本、北海道、そして能登半島…「地震ハザードマップ」がまったくアテにならない科学的な理由
プレジデントオンライン / 2024年3月11日 8時16分
-
【千葉で地震頻発】『スロースリップ』指摘される巨大地震との関係性とは?南海トラフ地震は?専門家「時期予測は難しいが規模の範囲が以前よりわかるように」解説
MBSニュース / 2024年3月4日 16時35分
-
次のリニア妨害の材料は「巨大地震」…非科学的な地震予知まで持ち出してくる川勝知事の「もしも論法」
プレジデントオンライン / 2024年2月29日 5時15分
ランキング
-
1死亡男性、降り口近くで倒れる カメラ撮影 エスカレーター事故
毎日新聞 / 2024年3月28日 21時21分
-
2パワハラ認定「遅すぎる」 地元ファンら、あきれた声
共同通信 / 2024年3月28日 18時23分
-
3東京女子医科大などに特別背任の疑いで一斉捜索、同窓会組織が勤務実態ない職員に給与支払いか
読売新聞 / 2024年3月29日 8時45分
-
4「孤独感がある」4割、コロナ禍去っても2年前からほとんど変わらず…専門家「恒久的な問題になりつつある」
読売新聞 / 2024年3月29日 8時30分
-
5ストッキング「アツギ」公式Xまたまた炎上で謝罪 専門家が指摘した「いいね」NG
東スポWEB / 2024年3月28日 11時32分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください