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新型肺炎の予防には、流行中のインフル対策が効果的?

ウェザーニュース / 2020年1月25日 10時0分

ウェザーニュース

昨年12月に中国・武漢市で感染が始まった新型肺炎は、1月24日までに発症者が中国国内で835人、死者26人にのぼっています。中国以外でも、日本、タイ、韓国、台湾、香港、マカオ、アメリカ、ベトナム、シンガポールで感染者が確認されています。

1月25日から中国の春節休暇が始まり、中国から来日する観光客が増えることが予想されます。今後どうなるのでしょうか。寒さが募る時期、私たちに予防法はないのでしょうか?

2002〜03年のSARSに似ている

中国政府は当初、新型肺炎の感染は武漢市の41人だけで、ヒトからヒトへの感染は確認されていないとしていました。それから10日もしないうちに国内の発症者が800人以上に拡大し、中国本土以外の9つの国・地域に感染が広がりました。

「この間の経緯をみると、2002〜03年に流行したSARS(サーズ=重症急性呼吸器症候群)に似ています。SARSは2002年11月に中国広東省で患者が出て流行が始まりましたが、中国政府はWHO(世界保健機関)に報告しませんでした。

しかし、感染症の流行をインターネットで監視しているカナダの機関がWHOに報告し、WHOが中国政府に照会したところ、中国政府は2003年2月にSARSの流行を公表しました。そのときすでにSARSの流行は世界中に拡大していたのです。今回も同じような経緯をたどり、WHOを中心に新型肺炎を制圧できるか否かが問われています」というのは、横浜相原病院(横浜市瀬谷区)の吉田勝明院長です。

感染を拡大する「スーパースプレッダー」

「感染を拡大する要因のひとつがスーパースプレッダーと呼ばれる感染力が強い人です。たとえば、香港を訪れた中国人医師がSARSに感染していたため、宿泊したホテルで宿泊客16人に感染を広げ、本人も死亡したことが報告されています。このホテルで感染した人が、カナダ、シンガポール、台湾、ベトナムなどに向かい、到着先で感染をさらに拡大しました」(吉田院長)

感染を拡大するもうひとつの要因が、医療関係者の感染です。SARSの場合、約8000人の感染者のうち約1700人が医療関係者でした。患者の治療に当たった医師や看護師が感染し、他の入院患者などに感染を広げてしまうのです。今回の新型肺炎でも、中国国内で多数の医師が新型肺炎に感染したことが報じられています。

流行中のインフルエンザ対策が予防に効果的

今年の中国の春節(旧正月)は1月25日。前日の1月24日から1月30日までが連休で、この期間を中心に延べ30億の中国人が国内外を移動すると言われています。新型肺炎に感染した人も日本に入国する可能性がありますが、感染予防はどうしたらよいのでしょうか。

「感染は、主に『飛沫感染』と『接触感染』が考えられます。新型肺炎の感染力はそれほど強くないようなので、インフルエンザと同じように『こまめな手洗い』『うがい』『人混みでのマスク着用』、それに睡眠と食事を十分にとる『体調管理』など、通常のインフルエンザ対策になります」(吉田院長)

新型肺炎を封じ込められるか

SARSは29の国・地域に感染が広がり、8096人が感染し、うち774人が死亡しましたが、2003年7月5日にWHOは封じ込め成功を発表して幕を閉じました。

「封じ込めに成功したのは、感染者を隔離し、感染者と接触した人を追跡調査して、感染をそれ以上に広げなかったからです。感染者がいた29の国・地域がそれを徹底して行ったため、SARSは発生から8ヵ月で封じ込めることができたのです。今回の新型肺炎の封じ込めの成否は、各国がどこまで感染者の隔離と追跡調査を徹底できるかにかかっています」(吉田院長)

過度に恐れる必要はありませんが、乾燥する季節でもあり、新型肺炎の動向に注意を払ってください。

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