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七十二候「麦秋至」 麦の収穫期は秋ではなく初夏!

ウェザーニュース / 2020年5月31日 5時5分

ウェザーニュース

5月31日からは「麦秋至(むぎのときいたる)」。麦は私たちの生活には無くてはならない存在ですが、調べてみると意外に知らなことがたくさん!そこで今回は、麦についてご紹介します。

秋ではなく……

(2017年撮影 奈良県)

穀物が実り、収穫を迎える季節といえば、秋を想像する方も多いですよね。しかし、麦の収穫期は初夏!今の時期は、麦の実が熟し、麦畑は一面美しい黄金色に染まっています。

今回の七十二候に「麦秋(ばくしゅう・むぎあき)」という言葉が入っていますが、麦秋は麦を収穫する季節、または初夏の頃という意味。
「秋」と書きながら意味は「夏」なのでちょっと混乱しそうですが、俳句でも麦秋は夏の季語となっていますので、ご注意を。

スパルタ教育!?

麦踏みの風景(2017年撮影 佐賀県)

麦は秋〜冬に種まきを行います。1ヶ月程すると、青々とした葉をつけるのですが、ここで日本独特の農法「麦踏み」というものを行います。

「え?せっかく育った麦を踏むの??」

そうなんです。麦踏みは、11月~2月の寒い時期に計4回ほど行われます。
土が乾いている時を見計らって踏んであげると、根の張りが良くなるとのこと。寒くなると霜柱が麦の根を浮き上がらせてしまい、乾燥や寒さにさらされると麦は枯れてしまいます。それを防ぐためにも重要な工程なのです。また、踏むことで茎の数が増えることにもつながるそうです。

踏まれている麦の気持ちになって考えると、ちょっとつらいですが、良い麦になってほしい!という思いが込められているのです。

麦の種類

六条大麦(2017年撮影 兵庫県)

4回の麦踏みのおかげで丈夫に育った麦たちは、雑草を取り除いてもらったり、土寄せをしてもらったりして、さらに生長します。
そして、先程もお伝えした通り、初夏〜夏に収穫されるのです。

収穫された麦のうち、食用にされるのは、小麦・六条大麦・二条大麦・はだか麦の4種類。ライ麦やえん麦は、家畜のエサなどに使用されます。

食用麦の中に、六条大麦と二条大麦という数字だけ違う麦がありますね。
この2つの違いってご存じですか?

六条大麦と二条大麦(以下六条と二条)で大きく異なるのが、穂についている実の数。
六条は、その名の通り6列全て実がなります。ただ、一粒一粒が小さめで、麦茶や押し麦に使われます。
一方、二条は2列しか実がなりません。その代わり、六条に比べると実が大きいのが特徴。ビールや麦焼酎の原料として有名です。

暑くなるこれからの季節は、麦茶やビールでのどを潤したくなりますね。

初夏ならではの風景

(2017年撮影 静岡県)

秋に稲穂が色づく姿も美しいですが、夏の太陽をいっぱいに受けて輝く麦畑も、また違った魅力があります。
この時期は麦を目で楽しんで見るのも良いかもしれません。

参考資料など

【参照・参考元】
農林水産省「特集 麦(1)」https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/1003/spe1_01.html
農林水産省「二条大麦と六条大麦の違いは何ですか、用途が違うのですか。また、国内の生産地はどこですか。」https://www.maff.go.jp/j/heya/sodan/1109/a01.html
日本製粉株式会社「第3回 芽が出たら」https://www.nippn.co.jp/hiroba/komugi_sodateyo/sp/vol03/
写真:ウェザーリポート(ウェザーニュースアプリからの投稿)、、、

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